こんなにある! スペインワインの主な種類
ワイナリー見学ではワインの試飲もできる
■シェリー酒
スペイン南部のヘレス・デ・ラ・フロンテーラやサンルーカル・デ・バラメダの街などで、生産される強化白ワイン。シェリー酒のなかでも、フロールという酵母の膜が表面にできるために酸化が防がれる、繊細な風味で辛口のフィノやマンサニージャから、真っ黒な色合いでまったりとした甘口のペドロヒメネス、アルコールを添加した辛口のオロロソなど、種類は豊富です。
■カバ
スーパーなどでよほど安く売られているもの以外、大抵シャンパーニュ方式で作られる、スパークリングワイン。最近はピノ・ノワールやシャルドネ種のぶどうを使うカバも増えましたが、基本はマカベオ、パレジャーダ、シャレッロという3種のぶどうをブレンドしたもの。糖分が0~6gのブルット・ナトゥレ(Brut Nature)15gまでのブルット(Brut)、17~35gまでのセコ(Seco)50gまでのセミ・セコ(Semi Seco)、50g以上のドゥルセ(Dulce)など甘さによって分別され、30ヶ月以上熟成されたものはグラン・レセルバ(Gran Reserva)とラベルに表記されます。ちなみに最も格上なのは、ブルット・ナトゥレのグラン・レセルバ。
■赤ワイン
スペインではワインと言えば赤!という年配の人も多いくらい、最も一般的なワインです。どの地方でも人気があり、それなりの品数が揃っているのがリオハ地方とリベラ・デル・ドゥエロ地方のもの。最近は、カベルネ・ソービニョンなどインターナショナルな品種のワインも増えたし、地域によっては、ブレンドものが主だったり、他の土着品種のワインがメインだったりするのですが、この2地方のワインの品種は、いわゆるスペインの赤の典型的な品種として知られるテンプラニージョです。ちょっとややこしいですが、ティンタ・フィナ、ティンタ・デ・パイス、ウル・デ・リェブレ、センシベルなど、様々な名前で呼ばれています。
■ロゼ
赤ワインが重たく感じるなら、ロゼがおすすめ。リオハ地方の隣のナバラ地方は良質なロゼの産地です。グレナッシュ種(スペインではガルナチャ)が伝統的な品種ですが、最近はカベルネ・ソービニョンやメルローのものもよく出回っています。
■白ワイン
海に囲まれ、シーフードをよく食べる国なので、赤ワインに比べると安価で良質な白ワインが多いです。地中海の太陽の恵みをたくさん受けた、香り豊かでフルーティな明るい感じの若いワインから、樽で熟成させたり、発酵させた一癖あるタイプまで様々。スペインの白ワインで最も高く評価されているのは、リアス・バイシャス地方のアルバリーニョ種のものと、ルエダ地方のベルデホ種のもの。
■チャコリ(微炭酸白ワイン)とシードル
北部のバスク地方でよく飲まれる微炭酸白ワインのチャコリと、シドラ(日本では「シードル」の呼称が一般的ですよね)と呼ばれるリンゴ種は、残念ながら、その産地でなければ良質のものに出会えません。バスク地方に行かれる場合は是非お試しを!
■デザートワイン
スペインのレストランで食事をするなら、是非最後のデザートまでしっかり楽しみたいもの。もしお腹がいっぱいでデザートが食べられなくても、デザートワインだけオーダーすることもできます。最もポピュラーなのは、モスカテルと言うマスカット種で作るぶどうの風味がさわやかなワイン。チョコレート系のデザートに合わせるなら、濃厚なペドロヒメネスがぴったり。
■ブランディーなど蒸留酒
レストランや家庭で、食後に飲む人が少なくないのが、ブランディー・デ・ヘレスというシェリー酒の蒸留酒や、オルホという、ブドウの皮の蒸留酒。消化を促す機能があるとされています。