大和の三門跡寺院
美しい庭園が印象的な法華寺 写真:奈良市観光協会
まずは、平城京の跡地である「平城宮跡」から徒歩10分の場所にある「法華寺」。東大寺が総国分寺として聖武天皇により造立され、その妻の光明皇后が総国分尼寺としてこの法華寺を造ったと言われています。2010年には光明皇后の1250年大遠忌法要が厳修されます。本堂は桃山時代に建設されたもので、国宝の木造十一面観音立像などが安置されています。ちなみに木造十一面観音立像を観覧できるのは、春、夏、秋の数日のみ。日付は年によって変わるので、行かれるかたは是非お調べください。
続いて、法隆寺から斑鳩の里を10分ほど歩いた場所にある「中宮寺」。聖徳太子の母、穴穂部間人皇女のために立てられた御所が元になっていると伝えられており、本尊では国宝の如意輪観世音菩薩を見ることができます。また聖徳太子の妃が死後の世界を想像し、刺繍したといわれる天寿国曼荼羅繍帳も観覧できます。
最後に、奈良公園をずっと南に下った奈良市の端にある「円照寺」。後水尾(ごみずのお)天皇の皇女、深如海院宮(しんにょかいいんのみや)が京都東山修学院に出家し、1669年に現地に移築したと言われる尼寺です。本堂は奈良県指定文化財に指定されており、本尊は木造如意輪観音像。普段は参拝できませんが今でも4月の第二日曜日には奉華会が行われています。
■法華寺
住所:奈良県奈良市法華寺町882
TEL:0742-33-2261
■中宮寺
住所:奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺北1-1-2
TEL:0745-75-2106
■円照寺
住所:奈良県奈良市山町
TEL:0742-61-7600
石上神宮
伊勢神宮とならび日本書紀に登場する貴重な神社。日本最古の道「山の辺の道」の中間にあり、その神々しい佇まいから神社・仏閣ファンに深く愛されています。甲冑の一部である色々威腹巻や桜門など重要文化財に指定されているものも多く、境内には野生化したたくましい鶏たちが闊歩しています。■石上神宮
住所:奈良県天理市布留町384
喜光寺
ボランティアの精神を日本に持ち帰ったと言われる行基菩薩が、721年に建設したお寺です。本堂が大仏殿の参考になったという説もあることから、“試みの大仏殿”とも呼ばれています。現在このお寺の南大門が復興建設中。2010年春には完成予定とのことで、蘇った姿を一目見ようと、心待ちにしているお寺ファンもかなり多いのだとか。■喜光寺
住所:奈良県奈良市菅原町508
TEL:0742-45-4630