わざわざ遠くまで行かなくても自然とふれあえる
春の外遊びはパパの出番!公園で大自然の美しさを探しにいこう
でもちょっと待ってください。都会には自然がないって本当でしょうか。キャンプや山登りに行かなければ自然とはふれあえないのでしょうか。なにも屋久島だの白神山地だのに行かなくていいんです。街角の公園にある小さな自然でいいんです。
屋久島の屋久杉も、花粉症の原因になる杉の木も、同じ杉の木です。白神山地のブナの木も、公園にあるブナの木も同じブナの木です。種の多様性だの、生態系だの、難しいことは抜きにして、じっと細部まで見つめて、触れて、においを嗅いでみれば同じです。
結構な都心でも夏になればツバメが巣を作るでしょう。ツバメが巣を作ると言うことは餌になるムシがたくさんいるということです。東京の23区内でもよく探せばカブトムシやクワガタを捕まえることができます。都会には自然がないなんていったら一生懸命生きている彼らに失礼です!
都会には自然がないなんて大人の思い込みです。足りないのは自然ではなくて、自然を見つけたり感じたりする鋭い感性です。
大人はそのことを忘れがち。「お金と時間をかけて遠くに行ってやっと出会える自然こそ、本当の自然。都会には自然がない」って思いこんでいるのではないでしょうか。その点、子どもは優秀です。子どもにとっては天然記念物のチョウチョもモンシロチョウも同じです。公園の池にいるオタマジャクシやカメ、ダンゴムシ、ミミズだって、子どもにとっては不思議なエイリアン。
子どもをちょっとした公園に「放牧」すれば、草原を転げ回り、草のにおいを覚えるでしょう。木に登って、木のぬくもりを知るでしょう。小鳥のさえずりに耳を澄ませるでしょう。
「都会には自然がない」なんて思い込んでいる大人より、子どものほうがよっぽど自然を感じる感性に優れています。
小さな自然に気づく感性を大切にしよう
みなさんの近くにもあると思います。ちょっとした木立があって、春や夏には色とりどりの花が咲いて、チョウチョが舞うような小さな公園が。そんな小さな公園の草木の名前をどれだけ知っていますか? 枝を這うイモムシがどんな成虫になるのか知っていますか? 小さな公園だって知らないことだらけの大自然なんです!そんな公園に月に1度でいいので、親子で足を運んでみてください。定点観測をするように、春から夏、夏から秋、秋から冬……と1年間の変化を子どもと一緒に観察してみましょう。できることならデジカメでも持って撮影しておくと、子どもにも四季の変化がわかりやすくておもしろいでしょう。公園図鑑も作れます。
小さな公園でも1年間通えば、きっとバスツアーで世界遺産の大自然を一回見に行くよりも多くのことを感じ、学ぶことができるはずです。春はそんなことをはじめるのに、ちょうどいい季節です。
身近な自然に気づく力。それって身のまわりに当たり前のようにある小さな幸せに気づく力に共通しているように思います。小さな自然を感じる感性を育めば、きっと身のまわりにある小さな幸せにも気づける人になれるはず。
どんな小さなことにも幸せを見つけられる人、そんな人が本当に幸せな人なんじゃないかと思います。わが子にはそんな人になってほしいなと思って、私もよく近くの公園に足を運びました。
……と、もっともらしいことを言いながら、「近所のお散歩ばかりじゃなくて、たまには海とか山とか連れてってよ!」という家族中の批判をかわすのが、忙しいパパの護身術です。
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