「仕事を効率化して早く帰ろう」という発想が間違い

出勤するパパ

仕事を早く終わらせる気合いはいいけれど……

パパの育児に関するデータを見ていると切なくなることがあります。

「もっとたくさん子どもとの時間を過ごしたいのはやまやまだけれど、仕事もしないと明日が不安……。しかもオレ、妻に本当に必要とされているのかな?」というパパたちの切実な思いが浮き彫りになっているのです。

それを見ちゃうと、「仕事より家族が大切!」とか「思い切って育休を取っちゃえば何かが変わる!」というようなことはなかなかいえません。そんなことはみんな最初からわかっているんです。

そこでさらに、「頭で分かっているのにできないのは気持ちの問題だ」というのは、「禁煙できないのは意志が弱いから」とか「太っているのは自己管理能力の欠如」と決めつけるような理屈に似ています。
問題はそんなに単純ではないはずです。

もっと家族との時間を増やしたいのだけれど、現実問題として、仕事が忙しくてなかなか子どもや妻の相手をしてあげられないというパパは多いでしょう。そこでよくあるのが、「だからもっと仕事を効率化して家に早く帰れるようにしましょう」という話し。

でも、ちょっと待ってください! なんだかそれって、あたかも今までダラダラと仕事をしていたみたいな言い方じゃないですか!? 失礼しちゃいます。

それに、そもそも、「仕事の時間を効率化して、家族時間を増やしましょう」っていうロジックなんかおかしくないですか。なんでまたそこで意識を仕事に向けちゃうんでしょう。それこそが仕事優先の潜在意識の表れではないでしょうか。もっといえばその理屈、会社にとって都合がいいばかりだと思います。

目指すべきは「サバイバル育児」より「サステナブル育児」

そもそも仕事を効率化すれば家族時間が捻出できるというのは危険な幻想です。長引く不況のおかげで人員は減らされて一人当たりの業務負担はかさんでいる上に、コストカットのために仕事はすでに極限まで効率化させられているはずです。

しかも人より効率よく業務をこなしてしまうがために、少しでも余裕がありそうに見える優秀な人にはさらに仕事が集中するという皮肉な構造すらあります。個人レベルでいくら仕事を効率化したところで、早く帰れるわけではないのが現状です。

そのような状況にある人に、さらに仕事の効率化や時短を迫ることは、絞りきった雑巾を万力にかけて最後の一滴を絞りだそうとするようなものです。そんなことをしたら雑巾が引きちぎれて使えなくなってしまいます。時間の絶対量を追いかけてしまうと常に限界への挑戦みたいなことになってしまいます。

それでは長続きなんてしませんよね。目指すべきは「サバイバル育児」ではなく「サステナブル育児」です。