開業希望者にひとこと
――日本ではコーヒー店を開こうとする若い人々が増えていますが、お二人からアドバイスをいただけますでしょうか。フリーマン:アメリカも同じ状況です。真似をするのではなく、自分の表現したいものをきちんと見極めることが大事だと思います。たとえば、サンフランシスコっぽいものを採り入れてそのままやるとかではなくて、たくさんのコーヒーカルチャーを体験し、自分自身がどう表現していきたいかをしっかり決めてから、そこに突き進むことが大切です。
大坊:同感ですね。100人いれば100通りのコーヒー店、またはコーヒーがあってかまわないと思います。ですから、ひとりひとりが好きなようにやればいいと思うんです。ただ、自分がいったい何が好きなのか、どういうことが好きなのかを考え始めると、決して簡単なことではない。考えること、または模索することによって、「好きじゃないもの」というのは見えてくると思います。自分が好きなものを探しながら、好きなようにやるしかないんじゃないかと思います。
白鳥のように優雅に。舞台裏の苦労は見せずに(フリーマン)
――先ほど大坊さんが「コーヒーを一杯ずつていねいに作ることで、良い仕事をする姿勢が、それを受け取った人に伝染するのではないか」とおっしゃいました。ジェームズさんはコーヒーにこめた想いが、お客さまにどういうふうに伝わると感じていらっしゃいますか?
フリーマン:コーヒーをドリップする背景には厳密なトレーニングがあって、何グラムを何秒以内に入れるという細かな決まりがあります。そういう舞台裏を感じさせずに、シンプルにスマートにコーヒーを提供する。一杯に対する目には見えないケアを、お客さまに感じていただけたらと思います。
――それは昨日のプレス発表会でおっしゃっていた「スワン」に通じますね。
※「白鳥は優雅に水に浮かんでいるように見えるが、水面下では必死に水をかいている。我々も見えないところで努力を続けて成長していきたい」(フリーマン氏)
フリーマン:そうです、スワンです(笑) 私から大坊さんに質問させてください。現在は休暇中なのですか、それともリタイアなのでしょうか。お店を再開するご予定はおありになりますか?
大坊:最後の休暇で、この休暇が私の人生の最後の時期かもしれません(笑) 再開を求める声をたくさんいただくので困っているのですが。
フリーマン:ぜひ再開してください。
大坊:ありがとうございます。自宅にコーヒールームを作って、ときどきお客さまを呼んでいるのです。もしもう一度味わいたいというお気持ちがつのったら、どうぞ(笑)
フリーマン:とても光栄です。ありがとうございます。
――本日はお二人に貴重な時間をいただき、どうもありがとうございました。
進行・写真:川口葉子
通訳:井川沙紀(ブルーボトルコーヒージャパン)
協力:CafeSnap
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