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対談:ブルーボトルコーヒー創業者×大坊珈琲店店主(4ページ目)

ブルーボトルコーヒー2号店の青山カフェがオープンしました。来日した創業者のジェームズ・フリーマン氏と、幻の名店「大坊珈琲店」店主、大坊勝次氏の味わい深い対談をお届けします。

川口 葉子

執筆者:川口 葉子

カフェガイド

日本に根づいた文化の良さ、若い世代も気づいてほしい(フリーマン)

大坊氏とフリーマン氏

談笑する大坊氏とフリーマン氏


――ジェームズさんが日本の喫茶店に興味を持たれたきっかけは何でしたか?

フリーマン:2007年か2008年に日本の友だちに連れていってもらったのがきっかけです。いっしょに1日に9店舗回ったんです(笑) 1店ずつにそれぞれスタイルとオーナーの想いがあって感動しました。スイーツやケーキもコーヒーと相性のいいものを手作りしていて、そのことにも影響を受けました。
当時のアメリカのコーヒー業界は効率第一で、商売商売といって人件費や材料費、回転率ばかり論じられていたので、日本の喫茶店に入って、時間がかかっても一杯ずつドリップするというホスピタリティに感動しました。

――じつは日本では、昔からある喫茶店が年々減っていて、みんなさびしい思いをしているのです。

フリーマン:不思議なことですが、私が大坊珈琲店やランブル、羽當の話をすることで、日本の若い世代がそれらのお店を訪れるようになった。そういうお話を各店のオーナーから聞いています。もともと日本にはそういう文化や歴史が根づいていた。日本にもとからある良さに気づいてほしいですね。

大坊:まったく同感です。ジェームズさんの発言で、改めてみんなが考え始める。そういう意味で、ご発言に感謝しています。

フリーマン:日本の喫茶店のために何かできていることがあれば、とても嬉しいです。

青山カフェではベニエなどのスイーツが作られる

青山カフェではベニエなどのスイーツや、ポーチドエッグをのせたトーストも提供


大坊
:自分の店では、コーヒーを飲むときには情報から離れて、コーヒーに集中してもらいたいと思っていましたが、なかなか難しかった。店内でパソコンやスマートフォンを禁止にすることは考えていらっしゃいますか。

フリーマン:私も同じように考えているので、アメリカの店舗でもWi-Fiは導入していません。パソコンと向き合うよりも、一杯を味わい、人と話す場にしたい。アメリカのブルーボトルの行列に並んだ二人が恋に落ちて結婚したというエピソードがあります。彼らは産まれたお子さんを連れて、また来てくれました。

浅煎りでも深煎りでも、透き通っているかどうかが基準(大坊)

――大坊さんは昨日、ブルーボトルコーヒーをお飲みになりましたが、ご感想をお聞かせください。

大坊:コーヒーは焙煎の深さによって味が変わります。浅煎りでも深煎りでも、透き通っているかどうかが私の好みの基準になります。昨日いただいたコーヒーは、私がめざしていた焙煎よりは浅かったが、とても透き通った味だったので、おいしくいただきました。ジェームズさんは一日の仕事を終えたとき、コーヒーを飲みますか、お酒を飲みますか?

フリーマン:午後4時を過ぎたらコーヒーは終わりにします(笑)カクテルやワインが好きです。大坊さんは一日の終わりに何を?

大坊:日本酒をほんの少し。そのために働いています(笑)

コーヒー店開業希望者に向けて、お二人からアドバイスをいただきました。最後のページでどうぞ。
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