2.5Lエンジン搭載車のバランスがいい
2.5Lと3.5Lエンジン、2.5L+2モーターのハイブリッドを設定。燃費はハイブリッドの19.4km/Lが抜きん出ていて、2.5Lガソリンは12.8km/L、3.5Lガソリンは9.5km/L。いずれも最高値
2.5Lと3.5Lガソリンのほか、2.5L+2モーターのハイブリッドを設定。先代は2.4Lガソリンと2.4L+ハイブリッドだったので、排気量が小さい方のガソリンとハイブリッドがわずかに排気量を拡大したことになる。JC08モード燃費(各最高値)は、ハイブリッドが19.4km/L、2.5Lガソリンが11.6km/L、3.5Lガソリンが9.5km/L。
全パワートレーンともに試乗する機会を得たが、一番印象的なのは2.5LガソリンのFFだった。フロントだけでなく全体に軽快感があってフットワークは軽やか、しかも乗り心地も悪くなく、首都高速のコーナリングも他のパワートレーンよりもさえている印象で、運転も楽しむなら2.5Lガソリンが適任だ。
試乗した8人乗りの車両重量は1980kgで、ハイブリッド(8人乗り)の2090kg、3.5Lガソリン(7人乗り)の2070kgよりも90~110kgほど軽いのは伊達ではない。
試乗車は225/60R17サイズで、「ブルーアースE51」というタイヤを装着していたが、低速域での当たりも18インチより若干マイルドな印象で、こちらも安っぽさは抱かせなかった。
280ps/344Nmを発揮する3.5Lガソリンには到底及ばないものの、2.5Lガソリンが発揮する182ps/235Nmのスペックは、中・低速域はもちろん、首都高速への合流時や高速道路の上り坂でも力不足を露呈するようなこともない。
先代モデルの2.4L(FF、7人乗り)よりも80kg増えている重量も12ps/11Nm増により十分カバーできている。しかも2.5LのCVTのフィーリングも良好で、CVTならではの空走感や音ばかり高まって加速がついてこないような違和感もかなり抑え込まれている。
一方の3.5Lガソリンは先代と同じ最高出力、最大トルクで6ATを組み合わせているが、先代よりも車両重量増でもパワフルな走りは健在。2.5Lガソリンでも流れに乗った高速巡航が可能だが、3.5Lは同じような速度域を保つにしてもアクセルを踏み込む量が少なくてすむし、回転域が低くなるだけ静粛性も保ちやすい。
コーナリング時は鼻先の重さだけでなく、全体にドッシリとした重厚感があるが、周囲を見下ろしながら直線を豪快に走りたい! という抑えがたい欲求は3.5Lでしか満たせない。
システム最高出力197psの2.5Lハイブリッドは、182psの2.5Lよりもパワースペックは上回るものの、実際の力強さは同等かむしろ2.5Lガソリンの方が上に感じる。グレードにより異なるが、2.5Lガソリンよりも150kg以上重い、つまり大人2人分増えた重量増のフィーリングそのままという印象だ。
逆に前席下にニッケル水素バッテリーを積むハイブリッドは、重心が低く、落ち着いた乗り味を示す。せっかくハイブリッドを選ぶのだからジェントルに走りたいという乗り方ならまさに最適だし、「ECO」モードをオフにするか、シフトを「S」ポジションに入れれば加速力に不足を感じた際でもスムーズな走りが可能。
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