ミニバンとしては上質な乗り心地のアルファード/ヴェルファイア
乗り心地や静粛性も先代より着実に進化している。とはいえ、大開口の両側スライドドアとテールゲートを有するだけに、「ミニバン」として現時点で最上といえるレベルなのは言うまでもない。
約200か所に及ぶスポット溶接の打ち増しや、構造用背着材の採用、アンダーボディのストレートラダー構造などのボディ補強も効果を発揮しているように思えるが、それでも先述した大開口部というボディ構造上の特徴を克服できるわけはなく、同価格帯のセダンから乗り換えればその差は察知できてしまうはず。
それでもシートは、どのタイプを選んでも大きな満足感を得られるだろう。「エグゼクティブ ラウンジ」はもちろん、「エグゼクティブパワーシート」を別格にしても、人気になりそうな7人乗りの「リラックスキャプテンシート」を選んでも2列目は特等席といえる贅沢な気分に浸れる。
8人乗りのセカンドシートも決して悪くはないものの、身体を包み込む座り心地や、オットマンが付かないため足を伸ばしてゆったりしたい時の快適性は7人乗りには当然ながら及ばない。最大積載時は8人乗りの利点も大きいが、どう考えても7人までしか座らないのならリラックスキャプテンシートの7人乗りをオススメしたい。
車線逸脱警告&レーキープアシストは未設定
各1時間、3台程度の試乗では味見程度でしかなかったが、アルファード、ヴェルファイアは抜け目なく正常進化していた。それでもこのクラスでレーンキープアシストが設定すらされないなど、価格帯を考えると一部に不満も残るだろう。レーンキープは今年からの新型車に搭載される「Toyota Safety Sense」が搭載できなかったためとか。
駐車支援の「インテリジェントパーキングアシスト2」などは充実しているものの、不満な人は最新の予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」が搭載されるはずであろう、次の一部改良やマイナーチェンジまで慌てず待つという手もあるかもしれない。