防災/災害の種類と対策

震災4年目。何を優先すれば命は救われるのか?(2ページ目)

東日本大震災から4年。被災地の復興がままならない中、確実に震災の記憶は日本人から失われていく。そんな中、東北や、関東では様々な地震活動が報告され、その危機は決して失われてはいない。水や食料などの備蓄は災害を防ぐこととは全く違うこと。今そこにある危機を意識して対策する以外に命を守るすべは存在しないのだ。

和田 隆昌

執筆者:和田 隆昌

防災ガイド

何を優先すれば命は救われるのか?

前述のように、それぞれの場所で災害時の「最大のリスク」は大きく異なります。水や食料を買いだめしておくことは直接命を救うことにはなりません。せいぜい「避難生活」が少し快適になるか「避難所に行く」ことを避け、自宅で避難生活を送ることが可能になる程度の効果は持っていると思います。大事なのは「最大リスクに備えること」です。

「沿岸地域に住んでいる」「河川・河口近くに住んでいる」場合は地震による津波発生があなたの生死を決める最大リスクになる可能性が高いと考えられます。ゆえにいかに短時間で安全な場所に移動できるか、を常に考え用意しておかないとなりません。場合によってはそのリスクを避けるために移住するのも最終的な手段と考えるべきです。

また地盤の弱い河川の流域や埋立地などに住んでいる人は「家屋の倒壊」が地震被害の最大リスクになります。家屋の耐震性を高める工事を行ったり、家具による被害のない寝室を作るなどの工夫が必要になります。

さらに木造家屋密集地域など、延焼火災の発生しやすい地域では、自分がいかに火事に気をつけていようとも、周囲に火災が発生して火に巻かれてしまえば、自分の生命も財産も守ることは出来ません。いくら保険に入っていようとも、それを補填しきるには至らないのも事実です。地域を安全にするための努力は住民同士で協力しあう以外には解決しえないでしょう。

地震災害の被害は日本列島のどんな場所でも発生しますが、その最大のリスクはそれぞれの場所、個人の持つリスク(主に住居の耐震性、耐火性)によって大きく異なります。まずは自分の自宅と生活圏にあるリスクを正確に把握し、最大リスクの解消を行う、究極には転地によってそのリスクを避けること、それが命を救うためには必要なことなのです。

 


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