平成27年行政書士試験はどうなるか
予想は難しいのですが、補正措置の回避を目指すことだけは明らかです。行政書士試験の合格基準は絶対評価ですから、試験問題の難易度が合格者数を左右します。よって、補正措置を回避するには、平成27年本試験は平成26年本試験よりも易しくするしかありません。【民法】
理論的に考えて、難しかった民法は易しくなるはずです。補正措置の一因が民法にあることは明らかだからです。さらに言えば補正措置を回避しなければならないという心理的圧力が試験委員に働き、易しい問題が多くなるように思います。
受験生にとって一番関心があるのは、民法択一がどう易しくなるかでしょう。そもそも、近年民法は難しく、合格者でも9問中5問前後の得点が多いようです。その原因は、過去問踏襲性が低く、細かい論点の出題が多いからです。
ですので、民法を易しくするためには、過去問を出題すればいいわけです。よって、平成27年本試験では民法の過去問踏襲性が高まることが予測されます。ただ、極端に易しくなるとは考えられず、合格者なら9問中6~7問の正解、不合格者は9問5問の正解になるようなレベルになるのではないでしょうか。
民法は上記の様に択一で6問を目指しましょう。記述は、例年通り、過去問が記述化される傾向は変わらないと思います。40点満点中30点を目指してください。目標:24点+30点=54点
【基礎法学】
近年の傾向である「1問は過去問レベル」という傾向が続くでしょうから、確実に1問をとれるように過去問周辺を勉強しましょう。
目標:4点
【憲法】
少し易しくなるのではないかと思っています。過去問を中心に基本的な判例と条文を押さえてください。択一は5問中3問を目指してください。多肢選択は国語力を活かす必要がある傾向も変わらないでしょう。4問中3問を目指してください。択一も多肢選択も満点をとるのが難しい科目です。そのことを頭に入れて深入りしないことが大切です(その分を行政法と民法に回しましょう)。
目標:12点+6点=18点
【行政法】
近年試験傾向に変化はないので例年通りの出題だと思います。過去問踏襲性が高いので過去問をしっかり勉強してください。条文からの出題も多く条文の読み込みは必須です。択一は19問中17問を目指し、多肢選択は8問中6問を目指してください。記述は、今年の地方自治法からの出題で途方に暮れている方もいますが、「過去問の記述化」ですし、この傾向は27年本試験も同様でしょう。「過去問の記述化」を意識しつつ勉強して、15点以上を狙ってください。
目標:68点+12点+15点=95点
【商法・会社法】
今年が易しかったので来年は少し難しくなると思います。ただ、補正措置の翌年なので極端に難しくならないと推測されますので、例年通りのレベルに戻るとして5問中3問を目指してください。
目標:12点
【一般知識】
情報通信・個人情報保護の分野が3問の出題でしたが、その傾向は変わらないかもしれません。一方、政治・経済・社会は、以前よりは取りやすくなっています。政治・経済・社会は9問中3問を目指して、情報通信・個人情報後で3問中2問を目指し、文章理解は3問中2問を目指してください。
目標:12点+8点+8点=28点
以上、法律科目は183点、一般知識科目は28点、合計211点が目標です。
目標設定が高いと思う方もいるかもしれません。しかし、この基準は、憲法、行政法、民法、商法・会社法、一般知識(全体)の各科目で仮に択一式1問の失点、記述全体でキーワード1つの欠落をしたとしても合格できるように設定してあります(4点×5問=20点、記述でマイナス10点、合計で181点)。決して無理な目標ではありません。やることをしっかりとやり、上記目標点を目指して頑張ってください。