シングルクラッチの2ペダルMTも面白い!
トランスミッションでは、副変速機付CVTが一番人気だが、MTベースのオートギヤシフト(AGS)の完成度も高い。
最初にインドで採用されたこの2ペダルMTは、シングルクラッチではあるが、日本で初めて搭載したキャリイよりもさらにアップデートされており、プジョーシトロエンやフィアットなどのシングルクラッチの2ペダルMTと比べてもシフトフィールは洗練されている印象を受けた。
積極的に走りも楽しみたい人には、CVTよりもAGSの方がいいかもしれない。ただし、燃費はCVTがエネチャージを搭載することもあって最高37.0km/Lに達するのに対し、AGSは吸排気VVTが付く仕様でも29.6km/L。逆に価格はAGS仕様のほうが5万円ほど安い設定になっている。
新型アルトは室内空間もより広くなった
新開発のプラットフォームにより室内も広くなっている。前後席間の距離は先代よりも85mm伸びてライバルと比べて不利だった後席のフットスペースが拡大。前席も左右乗員間距離が30mm拡大し、ショルダールームも10mmだがわずかに広くなっているのも朗報。
前席2人掛けまでが多そうなアルトだけに、後席の広さはそこそこにして荷室を広くする手もあるかな、と感じさせたが、後席の使用頻度は高くなくてもライバルと比較されるポイントであることからこうしたパッケージになっているそうだ。
イニシャル、ランニングコストの両面を考えると、90万円以下から買えるCVT仕様がベストチョイスだろうが、先述したように、燃費はいくらか下がってもAGS仕様を約85万円で買う手もアリだなと思わせる出来に仕上がっている。街乗り中心の下駄代わりでも十分に楽しめるスズキ・アルト。
今後出てくるアルト・ターボRSやこの新型プラットフォームを使った派生モデルなどにも期待大だ。