儲かる人は儲けのシステムに敏感
儲かる人とそうでない人の違い
そのため、なぜそれがリターンを生むのか、それは現実的な数字なのか、どのような場合に損失になるのか、という判断基準がありません。その運用スキームが合理的か詐欺なのか、理解できません。
また、自分の目で確認したり、情報のウラを取るということも面倒くさがります。
「エビの養殖への投資」でも、彼らは自分で確認しません。「携帯基地局への投資」でも、やはり確認しません。「ディナールへの投資」でも、ウラを取りません。「沈没船引き揚げへの投資」でも同じ。
そして、 「利回りが高いから」「プロに任せれば安心」「自分は初心者だから」「彼らも大丈夫と言っているから」と自分に言い訳して思考停止します。
そのため、ありえない高利回り投資の話や、自分の代わりに増やしてくれるという人や会社に飛びつきます。
先日も、カンボジア不動産投資詐欺の事件が起きましたが、被害者のほとんどは高齢者で、現地をまったく見たことがなかったそうです。
こうして、自分のお金を他人に預けた瞬間にババをつかまされるという、非常に単純な詐欺が簡単に成立するのす。
みな自分が儲かることだけを考えている
投資の世界にいるとわかりますが、基本的にはみな自分が儲けることしか考えていません。それは良い悪いという話ではなく、機関投資家も証券会社も仕事である以上、当然のことです。なぜなら、彼らも生活があるからです。家族を養っていくには、給料をもらう必要がある。そのためには、会社の方針通りに売って手数料や利益を稼がなければならない。「こんな商品売りたくない」なんて言っている場合ではないわけです。
そして、売るための動機はもちろん詐欺師も同じ。最初から騙すつもりか、そうではないかの違いだけにもかかわらず、自分では何もせず、他人に任せて儲けたいと考える人は後を絶ちません。
彼らは、儲かっているうちは静かですが、ひとたび問題が起これば徹底的に相手を責めます。「利益は自分のもの、損失は相手のせい」という発想をし、詐欺ではなくても損失が出れば「詐欺だ!」と猛然と騒ぎ出します。お金を振り込んだのは自分自身のはずなのに。
しかし、儲かる人は、つねに儲けのシステムに敏感です。だから情報が入ってくる。さらに、自分で確かめようとします。投資はすべて自己責任だという意識があるからです。だから騙されにくいし、人よりも早くチャンスを手にします。
こうして、自分の手足を使って確かめ考え判断する人と、そうでない人の間には、埋めようのない資産格差が出てしまうのです。
何か問題が起こった時、自分で自分のケツを拭けない人は脆弱です。
つまり他人に依存せず、自分のお金の運用というハンドルは自分で握る、が基本です。