「靴下の跡がいつもついている。むくみが取れない」
これらはよく耳にするむくみの訴え。立ち仕事をする方は、比較的若くても足のむくみを自覚することが多いようです。健康な人でも生活スタイルによってむくみが出ることがあります。では、どんなむくみが危険なのかを解説していきましょう。
むくみの代表的な3つの原因
「むくみ」は、医学用語では浮腫(ふしゅ)と呼ばれています。代表的な浮腫には下記の3つが挙げられます。- 血管(リンパ管)が原因の浮腫 : 血管(リンパ管)の外に水分が漏れてむくむ
- 血液が原因の浮腫 : 血液中の物質濃度に異常があり、血管外に水分が漏れてむくむ
- 心臓が原因の浮腫 : 心臓の機能が落ちて、心臓に血液が戻れなくなりむくむ
この他にも腎臓の機能、甲状腺の機能が低下した時に起きる浮腫などが知られています。
靴下の跡はむくみのサイン
むくみのサインは、なんといっても「靴下の跡」です。靴下の跡ができる人は、その夕方と翌朝にすね(弁慶の泣き所)を親指で押してみてください。親指で押して、押したあとが残るならば注意信号です。それが翌朝も続くならば、危険な信号になります。※甲状腺機能低下症(橋本病)の浮腫は指で押してもへこみません。
危険なむくみとは?
心臓の働きは、全身に血液を送り出すこと、全身から血液を吸い上げることの2つがあります。むくみの原因となるのは後者の働きで、血液を吸い上げる能力が低下している心臓でこれが起こります。よく医者は「心不全」という言葉を使いますが、たいてい心不全のある人は心臓に血液が戻れない状況にあり、足がパンパンになるのです。当然、靴下の跡も消えにくくなりますし、指で押したら見事にへこんでしまうむくみになっています。
体が冷たい人、顔色が悪い(青白い)人、そしてこのような危険なサインを持つむくみのある人は、医療機関にかかることをお勧めします。
危なくないむくみを解決するには
大半の人は、危なくないむくみであることが多いです。若い人であるなら生活習慣によるむくみ、おおよそ50歳代以上の方では動脈硬化現象によるむくみである可能性が高くなっています。夕方に「ブーツが入らない…」と言っているあなた、靴下・ストッキングを脱いであまりのむくみに驚いているあなた、危ないむくみを学んだ前提で、次のことを実践してみてはいかがでしょうか?
- 下半身を締めすぎる下着はやめましょう
- 同じ姿勢でいる人は、時々ふくろはぎを揉んだり叩いたりしましょう
- 立ち仕事が多い人は、足を上げて休憩をとりましょう
- むくみを強くする可能性のある塩分を控えましょう
- 下半身を冷やさないようにしましょう
それでもむくみが治らない人は、一度お医者さんに相談してみましょう。