短剣の名にふさわしいコンパクトボディ グラディウス400
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グラディウスとは古代ローマ時代のローマ軍団剣闘士が用いた刃渡りが短い短剣の事を言います。ホイールベースは1455mm。特別短いわけではなく、ホンダのCB400SFの1410mmと比べてもむしろ長く、車重も他の400ccクラスのバイクと比べても特別軽いわけではありません。
しかし、実際に跨ってみるとカタログのスペック以上に小さく感じます。前側が狭く絞り込まれたシートと小さ目のタンクの影響が大きいのでしょう。
更に注目してもらいたいのは車体のデザインです。できる限り記事内に写真や動画を入れますので良く見て頂きたいのですが、他のバイクと比べても非常に斬新なデザインです。
好き嫌いが完全に分かれる個性的なデザインですので、どうしてもデザインに目が行ってしまいがちですが、走行性能はどうなのか?今回も一週間きっちり通勤で使用して試乗インプレッションをお届けします。
グラディウス400のエンジンは最近めずらしい過激セッティング
250ccクラスや400ccクラスはエントリーユーザーが一台目に買うことも多い為、近年は各メーカーが意図的に乗りやすく、穏やかなセッティングにしているような印象を受けます。様々な制御システムや安定感を高くするように太いタイヤを装着するようになった為、車重が増えており、軽快で元気な印象というよりは、より穏やかな特性が際立ってきているような印象も受けます。それに対してスズキが400ccクラスにラインナップしているグラディウス400やGSR400はエントリーユーザー向けというよりは、少しバイクになれたユーザー向けの車両という印象を受けます。GSR400の印象は先日インプレッション記事を書かせて頂きましたので、そちらを参考にしてもらうとして、グラディウス400はGSR400とは全く異なる方向性で玄人をうならせる性能です。
とにかく特筆すべきは過激ともいえるエンジンの特性です。アクセルを開けた瞬間から鋭く回転が上がり、気持ちよくスピードが伸びていきます。GSR400が高回転型エンジンなのに対して、水冷4サイクルDOHC Vツインエンジンを搭載するグラディウス400は低速から中速までの加速が鋭く、実用域のパワーが使いやすいバイクです。
近年Vツインエンジンや並列2気筒エンジンを搭載している車両が増えてきていますが、やはりどちらかと言うと、燃費や環境性能を重視しており、穏やかな特性のエンジンが多いのですが、グラディウス400のエンジンは加速性能が素晴らしく、とても400ccのエンジンとは思えない仕上がりです。
スペック表を見てみると、55PS/11000rpm。スペックだけ見ても他社の400ccクラスの車両に比べて馬力を搾り出しています。現代の厳しい規制の中でこれだけのパワーを出しているのは見事です。
それでいて燃費の性能も悪くはありません。私がストップ&ゴーの多い東京都内の通勤で使用した際で22km/Lでした。タンク容量が14Lですので、連続航行が可能な距離は280km前後という事になりますが、燃費が特に悪くなる都内通勤のデータですので、ツーリングなどで使用する際には連続航行可能な距離は300km以上になると思われます。