希少価値のあるスイスワイン
スイスでは約50種類の葡萄を栽培。赤と白の割合はほぼ半々
しかし実はスイスは隠れたワイン大国なのです。スイス人はワインが大好きで、一人当たりの年間消費量は約50リットル。それに対して日本の消費量は約2.5リットル。スイスと比べて20分の1程度しか飲んでいないことになります。
産地でしか飲めないスイスワインも多い
スイスを旅行した機会は、日本ではなかなか飲む機会がないスイスワインを試すチャンスと言えるでしょう。
高品質、少量生産のスイスワイン
秋は葡萄の収穫の時期
そこでスイスではワインの高い品質を保つため、国や地方の管理のもとに葡萄の生産量が制限されているのです。スイスでのワイン造りは大変な重労働と言われます。各地のワイン生産農家がひとつひとつ手間をかけ、丹精を込めて作り上げているのです。
スイスワインも原産地呼称管理制度(AOC)で品質が保証されている
これはシャスラが品種自体の特徴よりも、植えられている土地の特徴をよく反映するからです。同じシャスラ種を植えても数メートル離れただけで、異なる香りのワインになることがあるそうです。
スイスワイン~主な産地
湖の北岸は湖面の反射光も葡萄の生育に役立つ
現在スイスワイン生産量のトップ3は、州別にみるとヴァレー州、ヴォー州、ジュネーブ州になります。地図で見るとスイス西部、フランス語圏が優勢です。例えば食事の前の乾杯風景。ガイドのこれまでの印象と経験では、チューリッヒやベルンなどスイスの中のドイツ語圏では、ワイン派とビール派がほぼ拮抗。これに対し、ジュネーブやローザンヌなどフランス語圏では圧倒的にワイン派が優勢です。ハイセンスなフランス料理に合うのはやはりワインと考えられているようです。
<ヴァレー州>
スイスで最も生産量が多いのがヴァレー州です。ジュネーブ~ツェルマット間を列車で移動すると、車窓から山の斜面に葡萄畑が広がる様子がよく判ります。スイスの中でも特に乾燥したヴァレー州は、しっかりした土壌を好む葡萄の生育に最適な条件が整っています。ヴァレー州の数あるワインの中でも、特にガイドのおすすめはフルーティーな白ワインのハイダ Heida。標高1340m、ヨーロッパで一番標高が高い葡萄畑で栽培される代表的な品種です。
・主な産地:Leuk, Martigny, Saillon, Sierre, Sion, Visperterminen など
<ヴォー州>
レマン湖の北岸に延々と広がるブドウ畑
・主な産地:Epesses, Dézaley, St-Saphorin, Shardonne, Féchy, Mont-sur-Rolle, Morges, Niyon, Aigle など
世界遺産の小さなワイン村ラヴォー地区を歩く
<ジュネーブ州>
スイス第3の生産地が国際都市で知られるジュネーブです。フランスと国境を接しているため、フランス由来の品種もたくさんあります。宗教改革記念碑、サン・ピエール寺院など、ジュネーブの市内観光を終えた後は、ぜひ郊外の葡萄畑に足を伸ばしてみたいもの。サティニー、リュッサンなど、葡萄畑が広がる小さな可愛い村のワイナリーを訪ねてみてはいかがでしょうか。
・主な産地:Dardagny, Russin, Satigny など
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