北陸新幹線のモデルに!加賀前田家奥方御殿「成巽閣」
兼六園に隣接する国指定重要文化財の成巽閣(せいそんかく)は、文久3年(1863年)、加賀藩十二代藩主・前田斉広の奥方、隆子(眞龍院)のために建てられた隠居所。元は金沢城から見て巽の方角(東南)にあること、奥方の実家である京都の鷹司家が辰巳殿と呼ばれていたことに因み、巽御殿と呼ばれていました。
奥方の御殿ということで内部は優雅で極彩色豊かな女性好みの華やかな空間に仕上がっており、階上は白木、階下には紅い漆を使い、壁は金や雲母を用いて雲や有職の文様が施された紙貼り。
障子の腰板には蒲公英や菫、蝶など華麗な花鳥が描かれているほか、様々な小鳥の絵が焼き付けられたオランダ渡りのギヤマンや色鮮やかな欄間、大胆に群青や紫に塗られた壁など、隅から隅まで見どころ満載。
成巽閣にはまた、代々前田家に伝わる雛人形・雛道具を始め、200以上もの御所人形や、華麗な紋様や刺繍、意匠が施された歴代の奥方たちの衣裳・調度品が多数所蔵されており、常設展示のほか、季節に応じた企画展で目にすることができます。
■成巽閣
住所:〒920-0936 金沢市兼六町1-2
TEL:076-221-0580
開館時間:9:00~17:00
休館日:水曜日(祝日の場合は翌日)、12月29日~1月2日
観覧料:【企画展】大人700円 / 中高生300円 / 小学生250円
【特別展】大人1,000円 / 中高生400円 / 小学生300円
幻の様式で作庭された兼六園よりも古い庭園「玉泉園」
石川県指定名勝玉泉園は兼六園よりも古い歴史を持つ池泉回遊式庭園。400年前の江戸時代初期に加賀藩の重臣だった脇田家の庭園として、初代・直賢(なおかた)から四代・九兵衛に至るまで100年をかけて作庭されました。全国に6例しかない幻の様式とされる玉澗流で築庭されている大変貴重な庭園で、加賀藩二代藩主・前田利長の正室「玉泉院」が作庭者である直賢の妻を世話したことからその名が付けられたそう。
720坪の園内には樹齢350年の朝鮮五葉松や北陸では珍しい水芭蕉、金木犀など数百種類にも及ぶ草木が繁茂。それらに交じって配置された50を超える灯籠もまた圧巻で、中でも珍しいのが隠れ切支丹だった直賢がこっそり造らせた聖母マリア像が刻まれている灯籠。上手く植え込みでマリア像を隠してあるので目を凝らして探してみてくださいね。
2014年には日本海で獲れた新鮮な魚介類や加賀野菜など四季折々の滋味豊かな食材を使った会席料理を堪能できる料亭がオープン。素晴らしい名園を愛でながら美味しい料理に舌鼓を打つという贅沢が味わえます。
■玉泉園
住所:〒920-0932 金沢市小将町8-3
TEL:076-221-0181
開園時間:9:00~17:00
閉園日:無休(臨時休園あり)
入園料:大人700円 / 高校生600円 / 小中学生500円
海産物に醤油スイーツ!ディープな金沢を体感「大野・金石地区」
主な名所が集中している金沢駅の東側は武家文化、対して西側にあるのが庶民文化を代表する金石・大野地区。藩政期には北前船の往来で賑わい、日本海に面した加賀藩の外港として繁栄した港町です。大野は野田・銚子・龍野と並ぶ醤油の五大産地の1つで、最盛期には60以上の醸造所が軒を連ねていた名実共に醤油の町。今も奥深い味わいの醤油が造られ、街をそぞろ歩けばふんわりと何処からともなく醤油の芳しい薫りが漂ってきます。
昔ながらの醤油蔵を改装した個性的なギャラリーやカフェがあったり、醤油を使ったソフトクリームやアイスクリームなど醤油処ならではの特産品を味わうことができます。また10日前までの事前予約で醤油蔵を見学することも可能。
さらに、その大野から少し歩いたところにある漁師や産地中卸の直売場・金沢港いきいき魚市では前夜、金沢港に水揚げされたばかりの新鮮な魚介類を格安で購入できますよ!
■直江屋源兵衛
住所:〒920-0331 金沢市大野町4-16
TEL:076-268-1300
営業時間:10:00~17:00
定休日:水曜日
■ひしほ蔵
住所:〒920-0331 金沢市大野町4-イ170
TEL:076-268-5289
営業時間:10:00~17:00
定休日:水曜日
■金沢港いきいき魚市
住所:〒920-0332 金沢市無量寺町ヲ52
電話:076-266-1353
営業時間:9:00~16:00
定休日:水曜日
いかがでしたか? 定番の観光名所にも決して引けを取らず、それでいて素顔の金沢が垣間見えるスポットを選んでみました。2度目、3度目の金沢旅行の際にぜひ参考にしてみてくださいね。