アドバイス1 老後資金についてはほぼ心配はない
結論から言えば、ほぼ心配はいりません。理由としては、家計に大きく無駄がある、あるいは大きなローンを抱えているということがないためです。現在、収入に応じた健全な家計であり、今後もずっとこの形を維持するのは、こまりもさんにとって難しくないと考えられるからです。また、65歳まで働く気持ちがあるのも、大きいです。長く収入を得ることは、効果的な老後対策になるからです。
アドバイス2 教育費やリフォーム費用などは終身保険を解約して捻出
そしてもうひとつの大きな理由が、資産があること。少なくとも、一時払いで加入されている終身保険をすべて貯蓄と考えれば、三女の方の教育資金からご自身の老後資金まで、十分な原資となるはずです。教育資金は必要なとき(大学入学、私立高校入学など)にそのつど解約し、それに充てればいい。現在お住まいのマンションでリフォームの必要性が出た場合も、この保険から費用は捻出できるはず。確かに、厚生年金と比較すれば国民年金の支給額が小さいことは事実ですが、今の生活スタイルを続けていくならば、ご自身の老後資金は、個人年金保険の上乗せ部分もあり、備えとしてはほぼ心配ないと考えてください。
アドバイス3 投資は、貯蓄は取り崩さず、毎月の貯蓄の一部で行う
投資をする上で大事な基本は「分散」です。ビギナーであればなおさらこのことが重要になってきます。今後投資をする際は、毎月の貯蓄6万~7万円のうち、半分の3万円程度を投資に回してはどうでしょう。積立投資は「時間」の分散ができる点で、おススメできる投資法です。
また、すでにある貯蓄を取り崩さないということも重要。ましてや大きく投資はしてないでください。そうすれば、現在ある資産はリスクを負わなくて済みます。
具体的な投資商品としては、投資信託が積立購入しやすいと思います。ここでも投資先の分散をしてほしいのですが、面倒であれば「バランス型」でも構いません。
自分で選ぶのであれば、株式型と債券型、国内と海外、といった具合に、投資先の異なるものを組み合わせてください。もちろん、インデックス型やETFを買われてもいいでしょう。
こまりもさんの場合、投資をあえてしなくても、基本的な老後資金は足りるはずです。したがって、投資はその上乗せ、楽しみとしてとらえてください。
長期保有にこだわる必要はありません。利益が出ていれば、こまめに利益確定をしてもいいと思います。また、NISA口座を利用して、非課税の恩恵を受けましょう。年間100万円の枠がありますから、少額投資なら十分に活用できます。
深野 康彦さん
業界歴26年目のベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。
取材・文/清水京武 イラスト/モリナガ・ヨウ
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