タクシーはスマホアプリで呼ぶ時代へ
駅から離れたところでタクシーを見つけるのは、至難の技。タクシーが偶然通りそうな大通りまで歩いて、あとは“運任せ”という人も多いのではないでしょうか。
こんな悩みを解消してくれるのが、今話題となっているタクシー配車アプリの数々です。
どれも基本的な機能は同じで、
1.事前にクレジットカード情報を登録しておく
2.GPS機能の位置情報を利用して、タクシーに来てもらう場所を指定する
3.タクシーに乗ったら、降車時は自動決済されるので、領収書を受け取るだけ
というもの。
配車アプリとしては、2009年にアメリカで生まれ、現在は世界で70以上の都市で利用されている「Uber」が有名ですが、今年の1月6日からLINEが日本交通と提携し、「LINE TAXI」のサービスを開始。日本でもアプリを使ってタクシーを呼ぶスタイルが、スタンダードになる日も、そう遠くはない予感です。
そこで今回は「Uber」と「LINE TAXI」を比較して、どちらが使いやすいのか見てみましょう。
特別感を演出する「Uber」と日常使いの「LINE TAXI」
LINE TAXIとUberの比較表
現在の対応エリアや決済方法だけで見ると、どちらも似たようなところですが、「LINE TAXI」は新たなアプリをDLする必要はなく、LINEのアプリ内から利用できるところが魅力です。
LINE TAXIの開き方
下部の「その他」から「LINE Apps」を開くと、「 LINE TAXI」を見つけることができます。
LINE TAXIのトップ画面(左)とホーム画面(右)
LINE Appsの中からLINE TAXIを始めると、おなじみのブラウンがタクシー運転手になってお出迎え。配車依頼をタップすると、位置情報を拾って現在地にピンが刺さり、近くにいるタクシーを見ることができます。
すると、近くにどれくらいTAXIがいるのか、一目瞭然。
あとは確認して依頼すれば、終了です。法人タクシーの10%を占める日本交通と提携しているだけあって、エリア内には多くのタクシーが走っていて、便利に使えそうな印象です。
一方、Uberはというと、提携しているタクシーの台数は非公開。その代わり、普通のタクシー「uber TAXI」だけでなく、500円プラスするとトヨタクラウンロイヤルシリーズ・BMW7シリーズ・Lexus LS・トヨタアルファードといったワンランク上の車種に限定できる「uber TAXILUX」、ハイヤーが呼べる「Uber Black」の3つのタイプから選べるのが特徴です。
ただし、六本木界隈を中心にハイヤーからスタートしていることもあってか、見たところまだまだ台数は少なめ。ビジネスユースを中心に設計されているようで、渋谷区や港区に集中して展開しているようです。
ちなみに、「Uber Black」のハイヤーで六本木交差点から渋谷駅までの概算見積もりをしてみると、1,503円~1,970円と出てきました。「Uber Black」の料金は、「開始料金103円 +毎分67円+キロ毎308円 (最低料金803円)」なので、ちょっとだけリッチな気分を味わいたい時にぴったりな料金設定。「über TAXI」で来るタクシーは「LINE TAXI」と同じ普通のタクシーなので、せっかく「Uber」を使うなら「Uber Black」を選んでみるのが、オススメです。
他にもある配車アプリ
「LINE TAXI」が提携した日本交通のグループ会社である、日交データサービスが独自に開発しているアプリ「全国タクシー配車」。2011年12月に公開されているとあって、昨年末時点でダウンロード数は150万件、アプリ経由の配車台数は200万台、アプリ経由の売上50億円以上と、大きな実績をあげています。日本人のタクシー利用の慣習にそって作られており、「Uber」や「LINE TAXI」のように「今すぐ呼ぶ」機能だけでなく「10分以内・15分以内・20分以内」と細かく指定できるほか、日時を指定した予約が可能。オンライン決済は必須ではなく、カード情報を登録せずに、氏名と電話番号だけでタクシーを呼ぶこともできます。
対応エリアもさすがの全国47都道府県の約500都市。タクシーの台数は2万2000台以上。車種は「指定なし・黒タク優先・黒タクのみ・プリウスのみ」が選べます。到着後の対応として「お迎え先で待ち合わせ」か「乗務員が伺う」の選べるなど、とってもきめ細やか。アプリ内での料金検索や、空港定額サービスの申し込みも可能です。
今後「LINE TAXI」にこれらの機能が追加されていくのか、はたまた「LINE TAXI」はシンプルなまま独自路線を行くのかはわかりませんが、事前に予約して利用したい方には「全国タクシー配車」は便利なアプリです。
他にも、イギリス発祥で、現在大阪と東京でサービス展開している「Hailo」、アメリカでUberの対抗馬として取りざたされている「Lyft」のようなサービスもあり、どこがいち早く日本のデファクト・スタンダードをとるのか、今後も目が離せません。