日本代表・Jリーグ/サッカー日本代表 最新コラム

アギーレ契約解除、後任を日本人監督にするべき理由

日本代表のハビエル・アギーレ監督が、2月3日に契約を解除された。かつてクラブチームを率いたスペインで、八百長疑惑が取り沙汰されたことが原因だ。昨年9月の初陣から5か月での解任となったわけだが、日本代表の強化を停滞させてはいけない。気になるのは後任人事だ。

戸塚 啓

執筆者:戸塚 啓

日本代表・Jリーグガイド

アギーレ契約解除は当然の判断

アギーレが契約解除に。後任には外国人監督が有力視されているが……。

アギーレが契約解除に。後任には外国人監督が有力視されているが……。

日本サッカー協会がアギーレとの契約を解除したのは、スペインの検察が八百長疑惑に関する告発を受理したからだ。これにより、アギーレ監督は事情聴取を受けることが確実で、スペインへ何度も足を運ぶ可能性が出てきた。

その一方で、日本代表は3月下旬にチュニジア、ウズベキスタンとのテストマッチを控えている。6月にはロシアW杯アジア予選がスタートする。

国内でJリーグをチェックし、欧州では海外組を視察しなければいけないなかで、代表監督が自らの身の潔白に時間を割いている猶予はない。アジアカップ終了後にアギーレは休養を取っていたが、本来なら国内各地で行われるキャンプめぐりをするべきだった。代表監督の仕事は、試合で采配をふるうだけではないのである。

ここからチーム作りを加速させていくタイミングで、代表監督が選手をチェックできない。合宿に遅れてしまう。アギーレ続投はそうした事態を招きかねず、代表強化の停滞は避けられない。アギーレが連れてきた外国人コーチ陣も含めて、契約を解除するのは必然的な判断である。

彼の手腕は問題ではない。代表チームの強化が滞ってしまう可能性を排除することが、何よりも重要だったのだ。


外国人優先の人選に異議あり

アギーレの後任は誰なのか。

Jリーグにゆかりのある外国人監督の名前が、メディアを賑わせている。ヨーロッパ各国リーグはシーズンの真っただ中で、そもそも有力な人材はフリーの立場にない。かつてJリーグで仕事をしたブラジル人が、有力な後任候補として浮上するのはそのためである。

外国人監督を最優先とした選考に、僕は反対である。なぜ外国人監督にするのかという理由が、かねてから曖昧だからである。

名前の通った外国人監督は、強豪国とのマッチメイクを後押しするという意見がある。否定はしない。監督同士が知己ならば、「じゃあ、今度試合をしようか」となってもおかしくない。

しかし、国際的な知名度を持たない岡田武史監督の指揮下でも、2009年9月にオランダと敵地で対戦している。同年11月には、ワールドカップ開催を控えた南アフリカともアウェイで対戦した。監督という看板に頼らなくても、有効なマッチメイクはできるのだ。

マッチメイクで大切なのは、誰が監督なのかではない。「日本と試合をしたい」と相手側に思わせることである。つまり実力だ。

それでもマッチメイクに不安があるなら、歴代の代表監督に橋渡しをお願いすればいい。

南米の強豪と対戦したいなら、ジーコを頼ってみる。イタリアならザッケローニだ。東欧諸国との対戦が望みなら、イビチャ・オシムにコンタクトを取る。メキシコと戦いたければ、アギーレに相談できる。かつて日本代表で仕事をした彼らなら、快く仲介役を引き受けてくれるに違いない。

>>日本人監督を選ぶことのメリットはそのほかにもある。

  • 1
  • 2
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます