彼を信じる? 疑う?
愛しい人と心から信じ合えるかどうか。それを確かめていくのには、時間と根気が必要です
「人を信じるのが怖い」
親を信頼できない家庭環境だった、過去にひどく裏切られたことがある……など、人間不信なできごとを体験した人にとって、信じることは容易ではありません。人との距離を置くクセがついてしまうものです。「信じること」に慎重になっている人は、いい意味でも「取捨選択すること」については、得意なはず。言い換えれば、自分を「守ること」が得意な人です。
自分をもうこれ以上、傷つけたくないので、「私は恋愛体質じゃない」「こんないい男が私のことを好きになってくれるわけがない」と、繋がりを持つことを避けてしまいがちです。
そういう人は「自分を信じること」「相手を信じること」が、素敵な恋を手に入れるためには大きなテーマになります。「守ること」だけでは、誰かと繋がることは難しいのです。冒険やチャレンジが必要です。
人を疑うことは悪いこと?
「疑うこと」とは吟味すること。一歩下がって冷静に見ることです。罪悪感を持ち過ぎる必要はありません
「疑うこと」は、決して悪いことではありません。「疑うこと」は「自分を守ること」なのです。
メサイアコンプレックスという言葉があります。メサイアとは、メシア(=救済者)のこと。「人を救済すること」が信念となってしまっている状態のことを指すそうです。臨床心理学的には、もっと傾向が強い状態を表しているのだろうと推測できます。とはいえ、こういった気持ちを理解、あるいは共感できる女性は多いのではないでしょうか。私が相談に乗ってきた「ダメ男」とおつきあいしてしまっている女性は、みなさんそういう傾向があり、彼を心から「信じている」というよりも「信じたい!」という印象でした。
誰かに尽くせるほど深い愛情を持てることは素敵なことです。無償の愛に近いとも言えます(厳密には、救うことで感謝されたいという見返りはあるかもしれません)。でも、それによって、自分の心身がボロボロになってしまうのなら、それは素敵なことだとは言えないはずです。
「誰かを助けたい」「誰かの役に立ちたい」という傾向のある女性は、「自分を守る」ということを習得しなければなりません。私自身、この傾向にありました。最初の結婚では、夫が私のお金を勝手に使い込んだり、借金を作ったりすることについて、不安や悲しみを堪えて我慢し続けてきました。その結果、パニック障害になりました。パニック障害とは、心の叫びを誰にも言えずに怒りや悲しみといった感情を抑制し続けた人が発症するものではないかと、個人的には考えています。
相手を受け入れ信じることを小さいころからやってきたのなら、あなたにとって大切なのは、「相手の言葉を鵜呑みにせず、ときには疑い、自分自身を守ること」かもしれません。
「信じる」「疑う」どちらも必要……大切なのはバランス
つまり、素敵な恋愛関係を手に入れるためには、人を「信じること」と「疑うこと」の両方ともが必要なのです。大切なのは、そのバランスです。でも、これまでやったことないのにどうすればいいの?
・とにかく練習を重ねる
・自分の弱さと向き合う
・相手をしっかり選ぶ
というところがポイントになります。完全に自分を変える必要はありません。無理をしなくても、好きな人ができれば自然に変わるということも多いものです。ただ、どこか一歩踏み出しておく必要があります。
例えば、「信じるのが怖い人」なら「新鮮な風」を自分のなかに取り入れる練習をします。
・新しい人間関係の輪のなかに入ってみる
・いつもと違うルートで通勤してみる
・人に勧められた音楽や食事を試してみる
・断っていたお誘いを一度受けてみる
・季節のフルーツや木の実を食べる(風のパワーをもらう)
といったことから始めてみてもいいでしょう。
「疑うことが苦手」な人なら、「選択する」「切り捨てる」ことによって、自分を守る練習をします。
・部屋のなかを片づける
・スマホの連絡帳を整理する
・プライベートに自分ルールを作ってみる
・大きな声(歌)を出す練習をする
・季節の根菜を食べる(土のパワーをもらう)
※食べ物についてはポラリティセラピーの考えを参照しています
どちらのタイプも「自分に自信が持てない」ということは共通していますよね。「苦手」にチャレンジすることは、人を大きく成長させます。そして、変化し成長し続ける人は、年齢とともに魅力的になれるはずです。極端に「防御」したり、不必要に「オープンマインド」になり過ぎたりしないよう、自分の心地いいバランスを探せるといいですね。
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