西洋医学にはない独特の診察診断(弁証)
体質がわかったところである程度の傾向をつかみましたので、ここから更に東洋医学独特の診察方法で、さらに病気を診断していきます。タイトルにあるように、東洋医学の治療は同じ病気でもその人の体質や病気の進行状態によって、治療部位や治療方法が異なることがあります。
体質がそもそも違うのですから、同じ風邪でも発熱の温度や鼻水や咳の状態がみんな違います。それでも同じ薬を飲むほうが良いのでしょうか?
東洋医学では同じ治療はしません。
生薬・経絡経穴・鍼
病気の総合分析である弁証に基づいた治療の原則を確定し、これに則り、数多くの生薬を組み合わせた漢方薬やカラダに14本(厳密には20本)の経絡、361個のツボ(経穴)、時には食材や導引(マッサー ジ)を組み合わせ、治療法を決定します。これを弁証論治といいます。この時点で同じ治療法がありえないというのを感じていただけるのではないでしょうか?
数年前、ダイエット目的の漢方薬を飲んでいた方がダイエットに成功し、それを見ていた友人はその薬をほしがり、分け与えてしまいました。その結果、生命を失うという大惨事になりました。その人にあった処方であっても、他人が飲んではその薬は毒になってしまうということはお分かりになるでしょう。
東洋医学治療の始まりから実際まで
古典からの学び
一人ひとり生活スタイルが違うので、どの知識がかけても治療は成功しないでしょう。さら に現在の病は複雑化しており、施術者は東洋医学の知識だけでなく、西洋医学やその他の医療の知識も身につけている必要があり、すべてを複合的に考え、治療を行えるよう日々精進をしていま す。私自身、まだまだ知識不足であると痛感し、切磋琢磨をしています。限りのない知識と感性を研ぎ済ませ、治療に全力がだせるように努力しています。
最初にも書きましたが、東洋医学は集団に対してというよりも、個に対する医療であるため、万能薬など存在しません。だからこそいつも目の前にいるクライア ントにまっすぐに向き合うことが東洋医学の真骨頂です。みなさんも信頼できる施術者を、心から患者を慈しむ優しさを持った施術者を見つけてほしいと思います。