米国では原油安によって航空会社の業績が良く、株価は一段高に
米国の航空株は一段高へ。日本の航空株にも期待がもてるところ
なぜなら株式市場では、容易に誰もが予想できるような上昇アイデアは予想以上に早くから株価に織り込み済みとなり、逆に事実が明らかになったときは材料出尽くしで、株価が下がったり、思い通りに上がらないケースが多いからです。
さて、原油価格の下落が進んでいますが、2014年12月期第4四半期の米国上場の航空各社の決算は予想通り非常に良く、そして発表後に株価も大きく上がりました。当然のことながら、原油価格の下落は周知の事実であり、燃料コストが経費の大きな部分を占める航空会社の業績の改善につながることは、誰でも容易に思いついていたと思います。
しかし、米国企業の2014年第4四半期の業績を見ると、予想を上回っている様子です。たとえば、格安航空大手のサウスウエスト航空(LUV)の2014年第4四半期の決算は前縁同期比10.4%減の1億9000万米ドルと減益になったものの原油安が業績を後押しして予想を上回っています。そして株価は年末までに大きく上がってきたにも関わらず、決算発表後に一段高となっています。ユナイテッド・コンチネンタル航空(UAL)やアラスカ航空(ALK)なども同じような動きになっています。
日本航空(JAL<9201>)や全日空(ANA<9202>)は今が狙い目?
ここで注目したいのは日本では日本航空(JAL<9201>)と全日空(ANA<9202>)が2015年1月30日に2014年3月期第3四半期(10-12月)決算発表を迎えることです。両社の株価は原油安の進行した11月に大幅上昇しました。これは「期待先行の上昇」と見ます。そして程よい期間をかけてその加熱を落ちつかせ、2ヶ月近くも高値を更新していません。つまり現在の状況はここまでに書いてきた米国の航空株の決算発表前と同じような株価位置にあるわけです。このタイミングで2015年1月30日に2014年3月期第3四半期(10-12月)の決算発表を迎えます。良い決算が出ると思われますが、1月も大きく原油価格は下がっており、まだ下がる可能性も濃厚です。そうすると「上方修正」という文字が意識されはじめ、米国の航空会社と同じように、株価は再び高値を抜ける可能性もあると思います。もっとも日本の場合は円安が原油安の一部を相殺しますので、その点は留意する必要があります。しかし、それでも原油安効果は大きいと思います。
参考:日本株通信
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