アフリカ最高峰キリマンジャロ山を一望できるアンボセリ
ケニアの南東部、タンザニアとの国境近くに位置するアンボセリ国立公園は、キリマンジャロ山の麓に広がる半砂漠地帯です。
390平方キロメートルのエリアには、白く乾いた大地、湿原地帯、疎林など様々な環境を抱き、そしてなんといっても隣国タンザニアにそびえるキリマンジャロ山の眺望が素晴らしことで人気。キリマンジャロをバックに歩くキリン、なんて写真を見たことがありませんか? あの場所がまさにアンボセリ国立公園なのです。文豪ヘミングウェイが短編小説『キリマンジャロの雪』の草稿を書いた場所としても知られる、壮麗な景色が楽しめるエリアです。
早朝は空気が澄み、山が姿を現す可能性が高い時間帯。朝のゲームドライブで朝陽に染まる山を堪能することができるでしょう。大雨季の4月頃は空が厚い雲に覆われてしまい、キリマンジャロが見られないこともありますが、やはり早朝と夕方は姿を現す確率が高いようです。ベストは小乾季の12~3月。雲が少なく、山の全景を見られるチャンスも大きい時期です。
※アンボセリで眺める朝陽については、「ケニアの絶景スポット!朝陽に染まるキリマンジャロ山」をご参照ください。
アンボセリ国立公園はアフリカゾウの楽園
キリマンジャロ山と並んで“アンボセリの顔“と言えるのが、アフリカゾウの大群です。アフリカゾウはマサイマラ国立保護区やツァボ国立公園など他の地域でも見られますが、アンボセリに生息しているアフリカゾウは体が大きく、また大きな群れを有しているのが特徴です。ゾウは死ぬまで成長を続けるので、体の大きなアンボセリのゾウは長生き、つまりアンボセリはゾウが生息するのに快適な場所だといえるでしょう。特に年末年始には、ツァボなど他の地域から多くのゾウがアンボセリに集まって大群を形成していることがあります。
火山灰土地に覆われた白く乾いた大地
国立公園一帯はキリマンジャロ山の火山灰土で覆われていて、大地は白く淡いイメージです。乾燥地帯のため車が走るとその白い砂が舞い上がり、時には目を開けていられないほどの砂の嵐に襲われることもあるでしょう。またアチコチで竜巻があがっているのもアンボセリを象徴する景色です。
エリアの多くを占めるのが半砂漠地帯とはいえ、それでも遠方に湖が浮かぶ光景に出くわすかもしれません。でも実はそれは蜃気楼。アンボセリでは、特に小雨季の暑い時間帯にしばしば蜃気楼が現れます。特によく見られるのが、公園の西側に広がるアンボセリ湖のあたり。ここは雨季にのみアンボセリ湖が出現し、乾季は干上がっているのですが、乾燥化が激しい近年は、雨季になってもこの地域が水に沈むことは稀となってきています。地図上では“アンボセリ湖”と記された西部は、木が一本生えていない砂漠地帯となっています。