画家のみずみずしい軌跡をたどる
世田谷美術館(用賀):難波田史男の世界 イメージの冒険
水彩とインクを用い、繊細で詩的な作品を多く創りあげた画家、難波田史男。日本の抽象絵画の先駆者として知られた画家、難波田龍起の次男として生まれた彼は、文学や音楽をインスピレーションの源に、独自の世界を探求していました。不慮の事故によって閉じてしまったわずか32年の生涯のなかで彼が残した作品は2,000点を超える膨大なもの。世田谷美術館が所蔵する作品のなかから、2部構成で300点を展示しています。
読書やクラシック音楽をこよなく愛する高校生だった難波田は、父を目指して画家になることを決意。大学進学をあきらめ文化学院へ入学したものの2年で中退し、自室で絵を描き続ける生活を送ります。その後、再び学問と向き合うため、1965年、24歳のときに早稲田大学に入学。当時激化していた大学紛争を前に、精神的に不安定に陥ることもありましたが、よりいっそう自分の世界を確立していきました。《トロンボーンの行進曲》や《水中庭園》を描いたのは、その葛藤を乗り越えたころ。イメージを自由に膨らませて構築した彼の世界は、見る人を強くひきつけています。
■展覧会DATA
展覧会名称:難波田史男の世界 イメージの冒険
会場:世田谷美術館
会期:2014年12月6日(土) ~ 2015年2月8日(日)
開館時間:10:00~18:00
※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日
Web: http://www.setagayaartmuseum.or.jp
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