株式戦略マル秘レポート/西村剛の「統計で勝つトレード」

1月に買ってはいけない銘柄は?

1月は、例年上がりやすい傾向がある月です。今回はその相場の中でも、例年株価が軟調に推移する傾向にある日経平均採用銘柄をご紹介します。

西村 剛

執筆者:西村 剛

株式ガイド

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 1月株式市場の傾向(日経225銘柄)

1月は、全銘柄を対象とした検証を行うと、株価が上がりやすい傾向のある月です。しかし、大型株と中小型株、新興市場銘柄と分類して検証すると、株価の傾向がそれぞれ大きく異なることがわかりました。

今回は、このような傾向のある1月相場で例年株価が下がりやすい傾向がある日経平均採用銘柄をご紹介します。株価が下がりやすい銘柄を事前に把握することで、不用意に損失を被るリスクを回避することが出来るでしょう。

例年、株価が下がりやすい日経平均採用銘柄をご紹介する前に、1月の株式市場(日経225銘柄)について検証していきます。12月末に日経平均採用銘柄(225銘柄)を購入し、1月末に売却した場合の成績は以下の通りです。

【検証結果】
システムトレードの達人

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勝率: 45.72 %
勝ち数: 2,169 回
負け数: 2,575 回
引き分け数: 72 回

平均損益(円): -310 円  平均損益(率): -0.10 %
平均利益(円): 24,785 円  平均利益(率): 8.26 %
平均損失(円): -21,456 円  平均損失(率): -7.15 %

合計損益(円): -1,490,584 円  合計損益(率): -496.93 %
合計利益(円): 53,758,408 円  合計利益(率): 17,919.81 %
合計損失(円): -55,248,992 円  合計損失(率): -18,416.74 %

プロフィット・ファクター(総利益÷総損失): 0.973
平均保持日数: 27.30 日

以上が、1月の株式市場の傾向(日経平均225銘柄)の検証結果です。検証結果を見てみると、勝率は45.72%、平均損益は-0.1%です。勝率が5割を切っており、1トレードあたりの平均損益もマイナスとなっていることから、1月の日経平均採用銘柄は、上がりにくい傾向があると言えるでしょう。

今回の検証では、日経平均採用銘柄(225銘柄)は1月相場では上がりにくい傾向があることが確認できました。一方で、ジャズダックやマザーズといった新興市場を対象に同様の検証をすると、「勝率62.02%、平均損益3.93%」となりました。日経平均採用銘柄と、新興市場銘柄では、成績に大きな差が出ています。これは、年末年始のご祝儀相場の恩恵を受けた個人投資家の資金が、大型株から値動きの軽い新興市場に移りやすいことが要因でしょう。1月の投資戦略を考える上では、日経平均採用銘柄のような「大型株」よりは、ジャスダックやマザーズ市場に上場している「小型株」に注目するのが良さそうです。

なお、全銘柄を対象とした検証は、「1月株式市場の傾向は?」で取り上げていますので、こちらもあわせてご覧ください。

では、株価が上がりにくい傾向のある日経平均採用銘柄の中でも、特に株価が下がりやすい傾向にある銘柄をご紹介したいと思います。

(見出し)1月低成績ランキング

システムトレードの達人

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上記の表は、先ほどの日経平均採用銘柄(225銘柄)を対象とした検証において、勝率が低い銘柄のランキングです。今回は、勝率が35%以下の銘柄をご紹介しています。低成績ランキング上位の銘柄を確認すると、

<4502>武田薬品工業【20.8%】
<4523>エーザイ【25.0%】
<4507>塩野義製薬【25.0%】
<4503>アステラス製薬【30.4%】
<4568>第一三共【33.3%】
<4151>協和発酵キリン【33.3%】

といった銘柄があげられます。これらの銘柄の特徴は、「医薬品関連銘柄」です。医薬品関連銘柄は、食品や電力・ガス・鉄道と並ぶディフェンシブ銘柄の一つです。ディフェンシブ銘柄は、景気変動の影響を大きく受けにくい銘柄として、景気低迷や、相場が軟調に推移している局面では、リスクの低い銘柄として人気化しやすい銘柄です。一方で、相場が好調な局面では、業績が好調な銘柄などに投資家の注目が集まりやすく、ディフェンシブ銘柄は買いが入りにくい傾向があります。

業種や個別銘柄は、月によって、株価が上がりやすい月と、下がりやすい月があります。今回のように簡単な検証をすることで、1月の投資戦略を考える上での、有効な判断材料の1つになることでしょう。なお、1月は大型株や日経平均採用銘柄の株価が軟調に推移しやすく、中小型株や新興市場銘柄の株価は好調に推移する傾向のある月です。過去の勝率が低い市場の銘柄でトレードするよりは、成績が良好な市場から銘柄を選定しトレードした方が、よりリスクを抑えることができることでしょう。

これらの数字は、あくまでも過去の検証結果ですので、これから先の未来でも同様の結果になる保証はありません。しかしながら、統計的な背景がある数字は、カンよりもはるかに信ぴょう性が高いものです。みなさんも投資する際には一度検証してくださいね。

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(このテーマでの検証については、【システムトレードの達人】を使って検証しています。記事の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性、利用者にとっての有用性を保証するものではありません。当社及び関係者は一切の責任を負わないものとします。投資判断はご自身の責任でお願いします。)
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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