増税後の家計支出はどう変化した?
増税後、家計の支出はどのように変化したのでしょうか。下記の表は、「家計調査」の四半期ごとの結果から、各々の支出について前年の同時期と比べてまとめたものです。結果をみますと、4-6月期、7-9月期ともに前年と比べて5%台の減少率(物価の変動を除いた実質の値)となりました。消費支出の中で増税後に大きく支出が減少したのは次の項目です。
<4-6月期>
「家具・家事用品」▲15.1%
「その他の消費支出」(交際費、こづかいなど)▲8.8%
「保健・医療」▲8.0%
<7-9月期>
「教育」▲17.4%
「家具・家事用品」▲11.2%
「住居」▲10.6%
一方、支出の減少幅が小さかったのはこちらの項目です。
<4-6月期>
「教育」▲1.8%
「交通・通信」▲3.0%
「住居」▲3.0%
<7-9月期>
「被服・履物」▲0.7%
「交通・通信」▲2.0%
「食料」▲3.5%
これを見ると、「家具・家事用品」は他の支出に比べて削りやすい支出であったと言えます。また、「教育」「住居」については、4-6月期は年度初めで支出がかさみがちであったが、7-9月期は家計支出を抑えるために、前年よりも習い事や家賃を見直したことが伺えます。また、「交通・通信」はどちらも減少幅が小さいことから、節約されにくい項目であることが分かります。
この結果を見て、「自分も我慢している」と思った支出があれば、それは要注意です。なぜなら我慢を伴う節約は、ストレスを感じて続かないことが多いからです。
ガマンしている支出があれば要注意
これまで家計相談を受けてきた中でも、「節約=ガマン」と感じている人の家計は、後々リバウンドしてしまうことがありました。一方で「節約=無駄な支出の見直し」と捉え、常に無駄がないか見直しをしている人は、上手に家計をやりくりしているのです。自分が何を大切にしているかで節約するポイントはそれぞれに違ってきますが、食料や教育、医療など生活に必要なお金を我慢する節約には限界があります。それよりも、銀行口座から当たり前のように引かれている支出や、勧められるがままに入った生命保険、ふくらみがちな通信費なども見直してみるとよいと 思います。無駄を省く節約は、毎日の生活もギスギスせず、シンプルに気持ちよく送れるものです。
近い将来、消費税が10%に上がることも予定されています。安心して家計を運営できるよう今のうちから強い家計体質を作っていきたいものです。