増税と相次ぐ値上げで家計はWパンチに
先日、発表された「今年の漢字」の第1位は「税」でした。消費税が今年4月に17年ぶりに引き上げられ、増税の重みを感じている人が多い表れでもあると思います。また、最近では為替が7年ぶりに1ドル120円になるなど円安水準に。わずか1カ月足らずで10円も下がるなど、急激な円安に輸入産業は悲鳴をあげています。牛丼チェーンやカップ麺、乳製品、冷凍食品メーカーなどは相次いで値上げを発表しました。増税と円安による商品の値上げは家計にとってWパンチ。実際これらは家計にどのような影響をもたらしているのか、データとともに見ていきましょう。
まず、モノの値段がどのくらい変わったのか見てみましょう。
下記は、モノの値段の平均的な動きを表す「消費者物価指数」(総合)の1年間の推移をグラフにしたものです。2010年が基準(100)となっています。2012年の12月から徐々に上がり、今年の4月から大きく上昇しているのが分かります。消費者物価指数には消費税も含まれるため、増税が影響しています。増税後の4月以降10月までの前年同月比では、2.9%~3.7%の上昇となっています。
これまでの日本はバブル崩壊後、モノの値段が下がるデフレの時代が長らく続いていました。例えば、1990年代に1杯400円だった牛丼は、2012年には一時的に 240円まで下がりました。デフレ経済と価格競争でどんどん値段が下がってしまったのです。ここ20年の間、モノの値段が安くなるのに慣れてしまったせいもあり、今回、400円近くに値上げされるニュースは衝撃的にさえ感じられました。
では、人々の消費行動にはどのような影響があったのでしょうか。次のページで見ていきましょう。