外装:重ねて施工すれば廃材処理費も削減できる
屋根や外壁を剥がす上では大量の廃材が発生します。これらをできるだけ防ぐことが工事費用を抑えることにつながるのです。
屋根や外壁を張り替える場合、既存の外装の上に新しい外装をそのまま施工(重ね張り施工)できるかどうかが、リフォーム費用を大きく左右します。既存の屋根材や外壁材を剥がして新しい材料に交換する場合、当然のことながら解体工事費に加えて、廃材処分費(産業廃棄物処理費用)が発生してきますので、費用を少しでも抑えたいのであれば無理に全部の外装を剥がしてしまうのではなく、重ね張り工法を前提に考えた方が無難です。
【費用の目安】
屋根・外壁の張り替え 250万~350万円
重ね張り工法による屋根・外壁の張り替え 170万~280万円
※延床面積100m²前後の一戸建て住宅を想定
リフォーム前には建物の状況を絶対にチェック!
今回ご紹介した工法によるリフォームでは「既存の建物が劣化していない」ことが大前提です。内装や外装の工事では下地材が重要であり、この下地材として既存の壁や床を使用する以上、すでに既存建物の構造部が完全に傷んでしまっていると、新たな外装・内装建材を施工できないということになり、既存の内外装を剥がして、建物構造部や給排水管を新しいものに交換することになります。また前ページでも触れていますが、床の重ね張り工法においてはリフォームしない箇所との段差を適切に解消しておかないと、足を引っ掛けて転倒する事故につながりますし、外壁の重ね張り工法では従来の外壁よりも出っ張りが大きくなることから、建物周囲の空間の確保にも注意が必要です。
今回は工法によるリフォーム費用の違いをご紹介しましたが、このようなリフォームで共通していることは、既存建物の状況をしっかりと調査して替える必要のある部分とない部分を明確に判断する必要があるということです。リフォームを検討する際には工事業者任せにせず、現場調査にも自ら立ち会って必要に応じてアドバイスや業者の見解を聞くようにしていけば、おのずと業者との信頼関係が構築でき、安心して付き合える担当者を見つけることができることでしょう。