待望の2ドアクーペ「レクサスRC/RC F」
レクサスに欠けていた「2ドアクーペ」というマスターピースが、レクサスRC/RC Fの登場で埋まった。かつてはIS Cというコンバーチブルもあったが、あくまで派生車種。トヨタ(レクサス)もクローズドボディの2ドアクーペは喉から手が出るほど欲しかったはずだ。
メルセデス・ベンツ、BMW、アウディのドイツ3大プレミアムブランドは、そこにオープンモデル(コンバーチブル)や5ドアクーペ、メルセデスのシューティングブレーク(ステーションワゴンとクーペを融合させたようなモデル)やSUV系クロスオーバーも用意している。
レクサスもオープンモデルのLF-C2(レクサスRCのオープンモデル)をロサンゼルス・オートショーで披露しているからレクサスSCの後継モデルになるか分からないものの、少しずつラインナップが充実していくものと期待したい。
レクサスRCの価格は、純ガソリン車が596万~678万円、ハイブリッド車が565万~629万円。車両価格、ランニングコストともにハイブリッドの方が買い得感が高く、スタイリングが気に入ったのであればハイブリッドでも満足度は高いはず
さて、待望の2ドアクーペであるRC/RC Fは、GSのプラットフォームをベースとし、ハイブリッドと純ガソリン車を展開するという、レクサスの王道といえるグレード展開。
ブランドは一日にしてならず
先述したドイツ御三家は、メルセデスなら圧倒的な安全性や信頼性、最近なら俊敏性を意味する「アジリティ」、BMWは「駆け抜ける歓び」、アウディは「クワトロ」や「技術による先進」など、クルマ好きならすぐに思い浮かぶキャッチフレーズや技術が並ぶ。
高級ブランドは「一日にしてならず」だから、レクサスはすぐに思い浮かばないという人もいるだろうし、トヨタとどこが違うの? と思っている方も少なからずいるはずだ。
しかし、IS以降の最新レクサスに乗ってみると、溶接方法や構造用接着剤などを採り入れた生産面の革新により、感性の面では以前よりも明らかにクルマは良くなっている。
今回はレクサスRCに絞り、人気のハイブリッドモデルについてその印象をご報告しよう。ハイブリッドの「RC300h」には、ベースグレードのほか「F SPORT」と「version L」が用意されているが、筆者が試乗したのは「F SPORT」と「version L」の2台。
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