内装建材/内装建材の基礎知識・選び方

床下収納設備の種類と特徴&プランニングの注意点

収納スペースとして上手に活用したいデットスペース。ここでは、メーカー商品の床下収納の種類と特徴、取り入れる際の注意点をまとめました。

岩間 光佐子

執筆者:岩間 光佐子

住まいの設備ガイド

デットスペースを有効活用できる床下収納

キッチンに設ければ、買い置きの飲料水や缶詰などをストックして。[床下収納ユニット スライドタイプ 開閉イメージ]undefined パナソニック エコソリューションズhttp://sumai.panasonic.jp/

キッチンに設ければ、買い置きの飲料水や缶詰などをストック可能。[床下収納ユニット スライドタイプ 開閉イメージ]  パナソニック エコソリューションズ

暮らしやすく快適な住まいを実現するためには、収納プランは重要なポイント。豊富な収納空間を確保するために、デットスペースも有効活用したい、と希望する方も多いでしょう。たとえば、床下の空間などは、上手に利用することで、使い勝手のいい収納スペースとなるものです。

床下に収納スペースを確保するには、造作としてプランニングすることも、もちろん可能ですが、馴染みがあるのは、建材メーカーの商品を床面に組み込むケースでしょう。ハウスメーカーの住宅や分譲住宅などでも標準仕様となっている場合もあり、一般的な建材商品のひとつとなっています。

キッチンや洗面室などに設けられ、食品や日用品のストックなどの収納として利用されると同時に、収納ボックス(収納庫)を外すことで点検口となるため、設置を勧められる場合もあるようです。

床下収納商品の種類と特徴

■形状  固定タイプとスライドタイプ
900ミリのタイプであれば、たっぷりと収納できる。[床下収納ユニット 固定タイプ] パナソニック エコソリューションズhttp://sumai.panasonic.jp/

900ミリのタイプであれば、たっぷりと収納できる。[床下収納ユニット 固定タイプ] パナソニック エコソリューションズ

建材メーカーの床下収納設備には、いくつかの種類があります。形状としては、固定タイプとスライドタイプ。よくみられるのは、蓋を開けると、ひとつの収納ボックスが設置されている固定タイプでしょう。

スライドタイプは、蓋を開け、連結した2~3の収納ボックスをスライドさせて使用するもの。ひとつ分の開口部でも複数の収納ボックスがあるので、より多くのものを収納することが可能です。

■サイズ  開口部幅450~1200ミリ程度。深型と浅型も

メーカーや商品にもよりますが、開口部分の幅は、450ミリ~1200ミリ程度まで、いくつかのサイズがあります。また、1階用と2階用、深型と浅型のタイプもあるので、プランに合わせて取り入れることができるでしょう。

■蓋の開閉方法   自立式と置き蓋式。畳用のタイプも

蓋の開閉方法には、開き扉のような自立式と蓋が外れる置き蓋式があります。蓋の表面は、厚みなどの制約はありますが、フローリングやクッションフロアなどの設置する空間の床材と合わせることができます。

また、和室の畳の下を、収納スペースにすることができる、畳用のタイプの商品も。蓋となる畳が電動で持ち上がり、収納物を出し入れすることができるタイプもみられます。

■性能  寒冷地や高気密・高断熱タイプも

断熱内蓋などによって、床下からの冷気やすきま風を防ぐ。[高気密・高断熱 61型606(深型) 1・2地域〈ブロンズ〉]undefined DAIKENundefinedhttp://www.daiken.jp/

断熱内蓋などによって、床下からの冷気やすきま風を防ぐ。[高気密・高断熱 61型606(深型) 1・2地域〈ブロンズ〉]  DAIKEN 

枠や内蓋(蓋と一体化されたタイプもあります)に、気密性の高い発泡断熱材を用いた、寒冷地や高気密・高断熱住宅に適する商品も揃っています。冷気やすきま風が侵入しにくい構造となっているタイプです。

また、収納ボックス部分は、軽い樹脂製なので、取り外して洗うことも可能。防カビ仕様を施し清潔に保管できるもの、通気口を設け、ニオイや湿気がこもりにくいタイプ、小物の収納に便利な網カゴなどを揃えたタイプもみられます。

床下収納を設ける際の注意点

■収納するものを明確にする
床下収納は、上手に活用すると使い勝手のいいものですが、「開かずの扉」となってしまった、という失敗談も聞かれます。本当に必要かどうか、収納したいモノを明確にして、充分に検討することが重要でしょう。

たとえば、キッチンであれば、頻繁に使用しないお鍋やホットプレート、買い置きの缶詰、水やビール、自家製の梅酒など。洗面室であれば、洗剤やシャンプー、ティッシュやトイレットペーパーなどの保管にも利用することもできるでしょう。納戸やクロゼットなどであれば、季節の家電や旅行グッズ、子供や寝室などの居室であれば、思い出の品などの収納が考えられます。収納物をリストアップする際は、床下収納だけでなく、他の収納スペースと同時に、それぞれの使い方、役割を明確することも大切なポイントです。

■使用する人の使い勝手を考慮する
床下収納は、床に膝をついて、低くかがんで出し入れすることになるので、「姿勢がつらい」という場合もあるものです。収納したモノ、特に重さのあるモノは、床上まで引き上げることに大変さを感じることもあるでしょう。誰が主に使うのか、その使い勝手を考慮することも重要でしょう。

■設置する位置には注意を

床下収納を設置する位置も注意が必要です。周囲には出し入れ作業がしやすいスペースがあるか、蓋の開閉がしやすい場所か、などの確認しながら検討を。キッチンに設けるのであれば冷蔵庫の位置、ダイニングであれば、テーブルや椅子を動かさずに作業できるかどうか。洗面室であれば室内扉との関係に配慮することも必要です。また、作業中に幼いお子さんが走り回るような場所は危険なので、設置は避けたほうがいいでしょう。

床下収納は、建物の構造などによって設置位置が制限をされるケースもあるものです。取り入れたいと考えているのであれば、間取りプランを検討する際に、早めに設計担当者と相談することが大切です。


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