復習のポイント 全体と個別の視点
復習のポイントをお話するために、簡単に法律の成り立ちについてお話をします。法律はシステムです。個別の条文にはそれぞれの役割があり、条文が複合的に組み合わさって、一つのシステムを構築しています。ですから、条文を正しく理解するには、単純に条文の意味がわかるだけでは足らず、まず、全体のシステムにおける位置づけを確認しなければなりません。次に、その条文と密接な関係のある条文(一般に関連条文と言います)を確認しなければなりません。例えば、自動車整備の仕事をする人でしたら、ブレーキについての知識は「自動車をとめるときに使うもの」(条文の意味)だけではなく、車体のどこにブレーキがあるのか(全体のシステムにおける位置づけ)、ブレーキは他のどんな部品にどのような作用をもたらして自動車をとめるのか(関連条文)について、当然に知っています。法律も同じです。
この視点を忘れずに勉強してください。授業直後の復習と授業後一か月後の復習で何が大きく違うかというと、その法律科目の授業が終わっていることです。つまり、その法律全体の勉強が終わっており、個別の知識について、全体における位置づけなどを意識して勉強できます。
忘れてしまうという弱点の克服方法のひとつは、その知識を既存の知識とうまく結び付けて、確固たる知識にしてしまうことです。例えるならば、ブロックのように凹凸をうまくはめて一つの形にしていくようなイメージです。その際に、もっとも有益なのは全体のシステムの中の位置付けをはっきりさせること、そして、前後左右の条文の仕組みともつなげ合わせることなのです。
また、全体を見通した中で、知識同士の共通点や相違点を意識するようにしてください。この知識同士の共通点や相違点は、横断問題として試験で繰り返し出題されています。当然、テキストにもまとめの図表として挙がっています。しかし、その図表の真に意味がわかるのは、その科目を全部勉強し終わってからです。