貴重な輸入ミニバン・シトロエンC4ピカソがフルモデルチェンジ
「ミニバン大国」といえるほど多様なモデルが揃う日本では、輸入ミニバンの存在感は高いとはいえないが、今回紹介するシトロエンC4ピカソやフォルクスワーゲン・シャラン、トゥーラン、メルセデス・ベンツVクラスなどが上陸していて、日本製ミニバンでは飽き足らない層に支持されている。
非常に細かな点にまで配慮された日本のミニバンの使い勝手は、総じて輸入ミニバンよりも優れている点が多いし、日本の道路事情にマッチしたボディサイズなども魅力。さらにいえば、燃費のいいハイブリッドも揃うとなると、ほかのハッチバックやセダン、SUVやステーションワゴンよりは輸入車を買う理由が見当たらないかもしれない。
しかし、合理性だけでは割り切れないのがクルマ選びの面白さであり、「白物家電化」していると指摘されがちなミニバンだからこそ、選択には自分のこだわりを反映させたいというニーズもある。
新型から日本にも5人乗りが登場
さて、7年ぶりのフルモデルチェンジになるシトロエンC4ピカソは、2代目となる新型から7人乗りが「グランドC4ピカソ」と命名され、今回日本にも導入されることになった5人乗りが従来どおり「C4ピカソ」と名乗る。
自分なりのこだわりを表現すべく、グランドC4ピカソ/C4ピカソを選ぶ理由は何だろうか? まずは、日本車にはない個性的な内・外装だろう。
ワンモーションで描かれたようなフォルムをはじめ、ヘッドライト&テールランプなどのデザインは、どれも似たような印象を受ける国産ミニバンとは違って何にも似ていない。
小田急ロマンスカーの展望車のような広大なフロントガラスと、宙に浮いているように見えるインパネなどの特徴は先代と同じだが、今モデルから上下2か所に設置された大型モニターを配置するなど、とくにメーターやナビなどの画面表示に関しても新しいチャレンジがされている。
7人乗りのサードシートは、先代同様に非常用の域は出ていない。身長171cmの筆者の場合、2列目のシート位置によるが膝も頭上もわずかなスペースが確保できるものの、近くの駅やファミレスまでなど30分程度ならガマンできるかな、という小さめのシートサイズと広さだ。
それでも普段使いでは5人までが中心で、時折子どもの友達を乗せる、祖父や祖母と近所に出かけたりするのであれば3列目の存在は重宝するだろう。
また、サードシートは不要だけれど、デザインやフォルム、走りが気に入ったなら今回からは5人乗りという選択肢も用意される。
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