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高倉健・菅原文太:二大映画俳優のテレビドラマ代表作

相次いで亡くなられた高倉健さんと菅原文太さん。単に俳優というより「映画俳優」といった方がふさわしいお二人ですがテレビドラマの出演もないわけではありません。めったに出られないからこその珠玉の作品を紹介し追悼したいと思います。

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

ドラマガイド

高倉健さんと菅原文太さん。昭和の名俳優が相次いで亡くなられました。ブレイクしたのは『昭和残侠伝 唐獅子牡丹』などの東映任侠路線に『仁義無き戦い』の実録路線。その後も単なる俳優というより「映画俳優」といった方がふさわしいお二人ですが、テレビドラマの出演もないわけではありません。テレビドラマの代表作を見て追悼していきたいと思います。


現在にいたるイメージ

高倉健さんのテレビドラマ出演作は5作のみ。しかも最初に出演した作品『ぼんぼん頑張る』はデビュー早々なので、一般の人が認識した「高倉健」としては4作です。これだけ少ないとガイドは、見たときの記憶がすべて明確に残っています。

77年のTBS金曜ドラマ『あにき』が唯一の主演連ドラ。下町が舞台の人情ドラマで鳶の頭・神山栄次役、脚本に倉本聰。

10月7日放送開始で、『幸せの黄色いハンカチ』が同年10月1日公開とほぼ同時。東映を退社しフリーになったのが76年。退社後第一作は76年の『君よ憤怒の河を渉れ』、続いて77年の『八甲田山』。そして『黄色いハンカチ』と『あにき』。任侠路線にかわる高倉健イメージはこの二作がスタートといっていいでしょう。

 

コワモテは妹萌え?

鳶の神山組の小頭は倉本ドラマ初登場の田中邦衛、若い衆に小林稔侍、阿藤快らがいます。『あにき』のタイトルは鳶の若い衆にとってのアニキであり、妹(大原麗子)もいて兄妹の兄とのダブルミーニング。

ストーリーは地域一帯の立退き問題を中心に、恩人の娘(秋吉久美子)に栄次が惚れられる、男性恐怖症の妹の結婚問題の心配などがからみます。

倉本聰脚本では前年の76年に放送された『大都会 闘いの日々』でも、黒岩刑事(渡哲也)が妹(仁科亜季子)を心配していて、妹萌え?パターンが共通しています。

他にも山田太一脚本、ギャラクシー賞奨励賞受賞の『チロルの挽歌』、早坂暁脚本で今年、高橋克典主演でリメイクされた『刑事 蛇に横切られる』、民放連賞最優秀賞の『これから 海辺の旅人たち』とあり、いずれも珠玉の作品ですが、やはり連ドラの『あにき』がテレビドラマでの代表作でしょう。

次は「反骨の人

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