悪いニュースも見方を変えれば、ビジネスのチャンスに
人口減少によって、地方郊外で放棄される農地も今後ますます増えることが予想されますが、視点を変えればひとつのチャンスにもなります。私は今後の有望なビジネスの1つとして、農業が挙げられると考えています。そのため農業ビジネスの参入の事前勉強として、野菜の栽培を手がけています。その理由は3つあります。1つは、自民党が進めている農協解体。もう1つは、TPPの拡大による安全・安心な食糧需要の増加。そして3つ目は自給率を高めてローコスト体質を作るためです。
農業参入のチャンス
農協が解体もしくは機能が分離されれば、従来のように農協が買い上げて市場に出すという流通ルートから、自ら販売ルートを開拓し、自ら値段を付けて売る、ということがポピュラーとなります。そしておそらく農地解放も進むでしょう。すると、第三者の参入も容易になると思われます。実際には地元の農業委員会が参入障壁として残りますが、徐々に自由度が増していくのではないでしょうか。
より安全な食品ニーズが高まる
参入すればなぜ儲かるか、ですが、それが2つ目の理由につながります。世界的な人口爆発によって、食糧生産が待ったなしの状況です。しかし世界を牛耳るのは、モンサントなどのアグリバイオ企業です。彼らは植物の遺伝子を操作し、公害や害虫に強い、特定の農薬に強いなどの、いわゆる組み換え作物を作って世界中に売っています。私は遺伝子組み換え食品には非常に懐疑的で、自分の食生活からは可能な限り避けたいと考えています。特定の環境に強いということは、ある地域の生態系を崩す恐れがある、などという社会正義的な理由からではありません。ただひとつ、自分と自分の家族の健康のためです。
遺伝子組み換え技術は最近のもので、その食品を長期的に摂取した場合の影響はまったくわかっていません。臨床データすらありません。遺伝子をいじることで、ある特定の能力が伸びたとしても、別の遺伝的能力が発現する可能性があります。そしてそれが毒性を持つものかどうかすら、わかっていない。政府や企業のお墨付きなんて、たいていウソですし。
放射能と同じく、「見えないリスクには近づかない」のセオリー通り、真偽が確認できないものは避ける。もちろん外食先では原料を確認できないですから、すべてを避けることはできないわけですが、自分の力が及ぶ範囲で選べるものは、きちんと選ぶ。
そう考える人は増えていくのではないか。そうしたニーズは世界的にも高まっていくのではないか。そしてそれこそ、日本の農業の強みでもある。実際、中国の富裕層は国産のものを選ばないという人は少なくないようです。もちろん競合企業は増えていくとしても、無農薬・無添加・有機栽培で作った食品が受け入れられる素地は充分にあるだろう、と考えています。