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2014年のドラマが描いた“男たち女たち”(3ページ目)

2014年はどんなドラマがつくられたのでしょう。視聴者は物語の主人公と一緒に夢を見て、結束する男たちに共感する。そんな傾向を感じます。

竹本 道子

執筆者:竹本 道子

ドラマガイド

2014年 スペシャルドラマと朝ドラと

『半沢直樹』的劇画調ドラマが支持される一方、肩に力の入らない天真なドラマも視聴者のニーズと言えそうです。

■不器用な彼らに魅せられるのはなぜだろう
2013年に連ドラとして放送された『最高の離婚』がスペシャルで登場しました。白黒ハッキリしないと落ち着かない夫・濱崎光生(瑛太)と曖昧を愛する妻・結夏(尾野真千子)。脚本家坂元裕二が紡ぐ二人の言葉は正しいかどうかではなく、納得したり笑ったり哲学を感じたり、「あ、それわかる!」の連続でした。

恋愛ドラマはファッショナブルさが優先で、どこか気取った要素、カッコよさをウリにすることがありますが、『最高の離婚』の設定はいたって自然です。自然とはいえ登場するのは、超のつくクセものばかり。目黒川の風景が、友人のワケあり夫婦 上原諒(綾野剛)と灯里(真木よう子)を含め 4人を優しく包む心地よさは絶品でした。

 

■食う寝るところに着るを生き生きと描いた 『ごちそうさん』
朝ドラや大河ドラマは視聴者の嗜好が顕著に分かれるものですが、『ごちそうさん』が着物、器、住まい、料理など 若い視聴者に日本らしさを今の時代に取り込みたいと思わせた点は評価できます。きれいに暮らしたい、生活にひと手間かけたいといった時代の思いにマッチした一作と言えるでしょう。

ムロツヨシ演じるヒゲの竹元教授や近藤正臣演じる主人公め以子(杏)の義父西門正蔵、いけずな小姑和江(キムラ緑子)といった個性派のスパイスはなぜか新鮮。め以子の義妹希子(高畑充希)の透明感も印象的で、22歳の高畑充希が成長していく希子の長年を力強く演じ好感が持てました。

紆余曲折に傷つき涙したはずなのに、たおやかにすり抜けてきたかのようで爽やかな気持ちになれるのが『ごちそうさん』なのです。

 

そして2015年へ

2015年1月スタートのドラマを見てみると 『全力離婚相談』(NHK)、『残念な夫』(フジテレビ系列) 、『○○妻』(日本テレビ系列) 、『だから荒野』(NHK)、昼ドラ風タイトルの『美しき罠~残花繚乱~』など、夫婦の物語が目立ちます。微笑ましい作品からサスペンスタッチまで、視聴者がどう評価するか気になるところです。

また、斬新なタイトルから想像が広がる麻生久美子主演の『怪奇恋愛大作戦』(テレビ東京系列)や高嶋政伸の怪演はもちろん主人公相良浩介(沢村一樹)の目論見も必見の『Doctors3~最強の名医~』も始まり、早くも胸が躍ります。

ドラマ衰退がささやかれる時代ですが、ドラマはやっぱり面白いと思える作品に数多く出合える2015年であることを期待したいと思います。
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