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2014年のドラマが描いた“男たち女たち”

2014年はどんなドラマがつくられたのでしょう。視聴者は物語の主人公と一緒に夢を見て、結束する男たちに共感する。そんな傾向を感じます。

竹本 道子

執筆者:竹本 道子

ドラマガイド

2014年も話題の作品がいくつもありました。どんなドラマが制作され支持されたのか振り返ってみましょう。


夢見る女たち

ドラマチックなのがドラマ。毎年視聴者をドキドキさせる作品はありますが、2014年は特にソレが目立ったように思います。

視聴者は主人公たちと一緒に夢を見ます。夢はもちろん様々です。現実逃避型『昼顔 ~平日午後3時の恋人たち~』(7月~9月 フジテレビ系列)や 突如王子様が出現する奇跡の恋物語型『きょう会社休みます。』(10月~ 日本テレビ系列)、フリーランス医師による平成大活劇『ドクターX~外科医・大門未知子~』など、どの作品もあり得ないとわかっていながら、ドキドキしワクワクするものです。

『昼顔 ~平日午後3時からの恋人たち』については『昼顔の物語をわかせた5つのファクター』ですでにご紹介しましたが、作風は違うものの『きょう会社やすみます。』も視聴者のキュンを盛り上げてくれました。

■王子様二人の奇跡 『きょう会社休みます。』
主人公の30歳のOL青石花咲(綾瀬はるか)が9歳年下の学生とイケメンの企業CEO二人に恋されます。

一度に王子様が二人も現れる。しかも二人とも背が高くてスレンダーで聡明、宝くじで1億円が当たる確率よりも低そうです。あり得ない物語とわかっていながら『昼顔』に比べ親近感を覚えるのはなぜでしょう。それは恐らく、登場人物がほんわかしていて、ギスギスした感じがない点にあります。お母さん、お父さん、上司、同僚、確かに身近にいそうですね。

主人公の素直で気弱な迷いやモヤモヤも、あり得ない状況に違和感を感じさせずドラマ離れを起こさない要因と言えそうです。

作中のピアノや管楽器などクラシックな音楽もさりげなくモダンなメロディーで、夢気分を品よく盛り上げました。

 

■夢は恋物語だけに見るものではない『ドクターX~外科医・大門未知子~』

こちらは主人公が夢を見ていないところが『昼顔』や『きょう会社休みます。』とは違いますが、視聴者は夢を見ます。

主人公 大門未知子(米倉涼子)はモノ言うフリーランスの外科医。肩書きで人を見ない彼女は相手が誰でも「NO!」と言います。もちろん仕事では、冷静にタイミングを見計らって必ずまっとうするスーパードクター。まさに夢の存在です。

職場において男性陣にモノ言うことは大変ですが、女性のグループも意外に厄介。ストレートなモノ言いはなかなか難しいのが現実です。そういう面倒を取っ払えるものなら取っ払いたい。一人で闘えるものなら闘いたい。そんな心理が番組の人気を後押しします。

そして何より、あのスタイルとファッションが女性にとっては夢。何もかもを兼ね備えている大門未知子が、愛だの恋だのと男性に依存しての上昇志向なら魅力半減ですが、自分のチカラで時代を生き抜き  一見協調性に欠けるようで、実は患者のみならず周囲の人間を助けたり支えたりする大人の気遣いも見せ、さらに魅力的です。大門未知子の強い生き方は私たちの夢なのです。

 

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