円高とは円の魅力が高いこと
「円高」とは、外貨に対して円の価値が高い状況を示す言葉。為替レートは、シーソーのように、2つの通貨のどちらか片方が高くなれば、もう片方が安くなる仕組みになっています。つまり「円高」の裏側には安くなっているもう1つの通貨が存在するのです。単に「円高」というときは、「円高ドル安」を差していることがほとんどですが、世界にはたくさんの通貨があります。ドルに対しては円高だけど、ユーロに対しては円安……なんてことも起こりますから、円高なのかどうかを1対1でみると同時に、総合的に把握することも大切。日本銀行が公表している実効為替レートは、円の総合力を知るのに便利です。
一方、円安とは外貨に対して円の価値が安い状況を示す言葉です。円安については「円安とは?円安の原因と影響」を参照にして下さい。
円高と金利の深い関係
2つの国を取り巻くあらゆる出来事が為替レートを動かすので、円高になる理由を特定するのは難しいのですが、中でも金利の影響は特に大きいと考えられています。例えば、円とドルとで考えてみると、日本の金利が上がり円を持つことの魅力がアップしたり、アメリカの金利が下がりドルで持つことのメリットが下がったりすると、日本円を持ちたいと思う人が増えるので円高になりやすいといえます。日本の状況には変化がなくても、アメリカで大きな出来事(自然災害やテロ、経済の混乱など)が起こりドルの魅力が下がれば、円の魅力がアップすることがあり得ます。
円高の要因は、2つの通貨の魅力の変化がカギ