冬はなぜ血行が悪くなるの?

まず、血行が悪くなる理由を考えてみましょう。東洋医学の考え方には「冷え性」の原因が大きく分けて5つあるとされています。

  1. カラダを温めるエネルギー不足(陽気不足)
    カラダを温めるためのエネルギーが不足しています。体温が低い人にも陽気不足の人が多いようです。
  2. ドロドロ血(淤血)
    血液の粘り気が強すぎて血管の中を上手く通りぬけられません。血液が上手く体内をめぐることができないので、老廃物が排泄できず体調不良を引き起こします。
  3. 貧血(血虚)
    血液の量が足りない状態。顔色が青白くなったり、痩せてしまったりします。
  4. 水分過多(水毒)
    水分の摂りすぎや水分の代謝が悪く、胃腸機能が低下しています。体内に溜まった水がカラダを冷やしてしまうので血行が悪くなってしまいます。
  5. 冷えのぼせ(気逆)
    顔だけ・上半身などは暑くてたまらないのに、下半身が冷えている状態です。更年期の女性に多い症状です。

食生活で血行を良くする

鍋料理

寒い季節はカラダが冷えて血行が悪くなりがちです。温かいものを食べて、血行をよくしましょう。

8年くらい前の学会誌に掲載された論文(※1)で、日本人の女性で「菜食主義者」と「普通の食事」をしている人の体型や血液検査の結果と食事について調べたものがありました。

その論文によると、血液の流れ方に影響しているのは、「血中脂質」「血中たんぱく質」「菜食主義」の3つであるとのこと。

菜食主義者は一般的な食事をしている人よりも血液の流れがよく、豆類や緑黄色野菜(にんじん、かぼちゃ、ほうれん草などβ-カロテンを豊富に含む色の濃い野菜の総称)をたくさん食べていて、痩せていたといいます。さらに食事内容をよくみると、動物性の食品を多く食べている人は血液の流れが遅いというデータもあったと記されています。

つまり、「動物性食品の量を減らして、豆類や緑黄色野菜を増やすと血行がよくなる」と言えるとまとめられています。意外と、盲点だと思いました。

また同著者らは、「菜食主義の人たちは一般的な食事をしている人たちよりも体重やBMIが有意に低く血行もよかった。『過食気味』に食べている人よりも菜食主義の人たちのほうがエネルギー摂取量が少なく、血行もよい」という内容も記しています。

この論文を読んでいると、血行をよくするためのポイントは「食べ過ぎない」「太らない」「豆や緑黄色野菜をたくさん食べる」というところにヒントがありそうです。 完全な菜食主義に徹するのは難しくても、「緑黄色野菜を意識的に食べる」よう意識することからはじめるというのはいかがでしょうか?

食材で血行をよくする

冬に食べたい煮物は、まさにうってつけです

冬に食べたい煮物は、まさにうってつけです

血行をよくする食品は、東洋医学でよく知られています。

まず、カラダを温める食材としては、しょうが、ねぎ、にんにく、唐辛子などがあります。

血液をさらさらにするとされる食材は、根菜類(こんにゃく、ごぼう、人参、山芋、蓮根など)、たまねぎ、食塩などが知られています。

ひとつずつ覚えるのは大変だと思いますが、大雑把には「寒い地域で採れるもの」「硬く水分が少ないもの」「煮て食べるもの」「塩辛いもの」と考えるとよいでしょう。

また、適量のアルコール(ビールなら中ビン1本程度)は、体温を上げますので、一時的ではありますが、血行がよくなります。

逆にカラダを冷やすとされているのが、合成甘味料、食品添加物、砂糖、刺激のある飲み物(アルコール・ジュース・インスタントコーヒー)、スナック菓子、チョコレート、牛乳、アイスクリーム、白いご飯やパン、うどんなど、精製油、タバコなどです。

これもひとつずつ覚えるのは大変だと思いますので、大雑把にまとめると「加工食品」「精製されたもの」「温かい地域で採れるもの」「やわらかいもの」と考えるとよいでしょう。

ただ、これらの食材は諸刃の剣です。冬が旬の食材はカラダを温める作用が、夏が旬の食材はカラダを冷やす作用があります。いずれもその季節の旬の食材であり、季節に応じた食材を食べるようにすると、カラダにも負担がかかりにくく、快適に過ごすことができるのです。

言うまでもないことですが、冷蔵庫から出したばかりの冷たいお料理よりも、鍋料理のように火を通した直後のアツアツのお料理をいただくほうが、カラダが温まり、血行もよくなることは言うまでもありません。

食生活以外にも血行をよくする方法

血行をよくする方法は食生活以外にもあります。

運動をする(有酸素運動がオススメです)、半身浴をする、温冷浴(42℃くらいの温かい湯と35℃くらいのぬるい湯に交互に浸かる)などがあります。

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いろいろな方法を試してみて、自分に最も合った「血行改善」の方法を探し出してみてください。


(1)樋口寿、奥田豊子ら:血液流動性に影響する食事因子の検討、日本家政学会誌(57) 619-626,2006
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