特別展「探検!体験! 江戸東京」では浮世絵の名品を見逃すな!
特別展「探検!体験! 江戸東京」には、小・中学校の教科書に出ている超有名資料が多数登場。1635(寛永12)年の『武家諸法度』や、1745(延享2)年頃作・奥村政信による『駿河町越後屋呉服店大浮絵』、1774(安永3)年に刊行された杉田玄白の『解体新書』など、馴染み深い資料がいっぱいです。中でも注目なのは会期中も前期(12月27日(土)まで)しか見られない、歌川広重の浮世絵『名所江戸百景』の「大はしあたけの夕だち」「浅草田甫酉の町詣」「王子装束ゑの木大晦日の狐火」の3点です。どれも色鮮やかで美しいとされる初摺りに近いもので、えどはくの中でも自慢の逸品。浮世絵は光に当たると劣化が進むので、普段は博物館奥深くで大切に保存されており、なかなか展示されない名品です。
ユニーク?ミステリー?江戸東京珍品コーナー
「江戸東京レアグッズ」のコーナーには、ユニークな発想で制作された珍しい道具や、思わずクスリと笑ってしまうような珍品が並びます。団扇をそのまま組み合わせた扇風機や、大気汚染に悩む東京の空気を缶詰にして売りだした『空気の缶詰』。当時のミッチーフィーバーを伺い知ることができる『皇太子殿下美智子さん花嫁きせかえ』や、上野の松坂屋で開催された『透明人間観覧券』(結局透明の人体模型の展示だった模様)など、今では考えられないレアグッズにかなり興味をそそられます。
ガイドが一番注目したのは江戸時代1792(寛政4)年頃の『桜屋文次郎妻の吐塊とその書付』。江戸の町医者の患者が吐き出した珍しい塊が、カルテとともに残されています。この塊、胆石のようなものだそうですが、胆石が口から出てくるということはまず考えられないため、科学が発達した今でも謎めいた物体だそうです。
千両箱も肥桶もとんでもない重さ!江戸町人を体験するコーナー
会場のラストには常設展示室で人気の大名の駕籠や人力車、リンタクなどの体験コーナーが。実際に昔の乗り物に乗って撮影もできます。また千両箱(約14キログラム)や肥桶を担げるコーナーも。時代劇などではお馴染みのアイテムですがこれが驚くほど重いのです! よくこれだけ重いものを持って、ひょいひょい歩けたり積み上げたりするもんだと心底感心。江戸の町人を尊敬せずにはいられません。今後、時代劇の見方も変わりそうです。
江戸時代や近代の庶民の生活を感じることができる「探検!体験! 江戸東京」。絢爛豪華な芸術品が並ぶ展覧会とはまた違う、親しみ深い楽しさが詰まった特別展です。
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■特別展「探検!体験! 江戸東京」
住所:江戸東京博物館 1階展示室 (東京都墨田区横網1-4-1)
TEL:03-3626-9974(代表)
会期:2014年12月2日(火)~2015年3月8日(日)
前期(~12月27日(土))、中期(1月6日(火)~2月1日(日))、後期(2月3日(火)~3月8日(日))で展示替えあり
開館時間:9:30~17:30(土曜日は19:30まで)
※入館は閉館の30分前まで
休館日:毎週月曜日(1月12日(月)、1月19日(月)は開館)
2014年12月28日(日)~2015年1月5日(月)は休館
入場料:一般 300円/大学生・専門学校生 240円/中学生(都外)・高校生・65歳以上 150円/小学生・中学生(都内) 無料
アクセス:都営地下鉄『両国』駅より徒歩1分
JR『両国』駅より徒歩3分