鉄道/SL

SLの殿堂、京都「梅小路蒸気機関車館」(2ページ目)

産業文化財としての蒸気機関車を動態保存する目的で設置された京都の「梅小路蒸気機関車館」。オープンから40年以上が経った今でも、日本を代表する名機18形式20両(D51形とC62形は2両づつ)が一堂に並ぶが、現在はどんな車両があるだろうか? また、実際に煙を吐いて動く車両もあり、ぜひ展示運転も見てみたいところ。SLファン垂涎の「梅小路蒸気機関車館」の見どころをレポート!

野田 隆

執筆者:野田 隆

鉄道ガイド

20両の名機が並ぶ扇形庫(1)

扇形庫内部

資料展示館から扇形庫へ


いよいよ扇形庫へ。転車台を中心に扇形に広がった車庫で、数多くの蒸気機関車が並んでいる。全貌をつかむには転車台のあるところへ出て、ふりかえってみることだ。頭を転車台に向けた蒸気機関車が並んでいるのが分かるだろう。
扇形庫

転車台付近から振り返ると扇形庫の全貌が分かる


ここで、梅小路蒸気機関車館に保存されている機関車を紹介しておこう。

1)C51形239号機 1927年製造 性能がよく、お召列車を104回も牽引したことで知られる。静態保存機

2)C53形45号機 1928年製造 東海道・山陽本線で活躍。国産唯一の3シリンダー機。

3)C55形1号機 1935年製造 晩年は北海道の宗谷本線で活躍。スポーク動輪が人気

4)C56形160号機 1939年製造 小海線などで活躍。「高原のポニー」の愛称あり。「SLやまぐち号」「SL北びわこ号」などを牽引して現役(動態保存機)
C56形

名古屋で出張運転を行った時のC56形「SLあおなみ号」


5)C57形1号機 1937年製造 スマートな姿から「貴婦人」の愛称あり。「SLやまぐち号」の主力機として現役(動態保存機)

6)C58形1号機 1938年製造 貨客両用機。「SLやまぐち号」を牽引したこともあるが、現在は静態保存機

7)C59形164号機 1946年製造 東海道本線で特急列車を牽引、晩年は呉線で急行の先頭に立った。静態保存機
D52形、C59形、C53形

左から、D52形、C59形、C53形


8)C61形2号機 1948年製造 東北や九州で特急などを牽引。梅小路の構内運転用(動態保存機)

9)C62形1号機 1948年製造 東海道本線などで特急を牽引。1994年から梅小路で展示。静態保存機

10)C62形2号機 1948年製造 東海道本線などで特急を牽引。晩年は函館本線で大活躍。除煙板の「つばめマーク」が特徴。梅小路の構内運転用(動態保存機)
つばめマーク

つばめマーク(スワローエンジェル)が付いたC62形2号機


次ページでは、さらに10両の名機を紹介。
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