恋人のうちに解決できない問題は、結婚しても解決しない
結婚はゴールではありません。今ある問題は、恋人のうちに解決して。
そこでA子さんは考えました。
「結婚して彼の妻という確固たる地位に納まれば、安心できるのに」
忙しい彼とつき合っているB子さん。月に一度のデートもままならず、メールの返事もなかなかくれない彼に業を煮やしていた彼女は、ある日名案を思いつきました。
「結婚して一緒に住めば毎日会えるし、連絡の不都合もなくなるのでは?」
この2つの例、果たして結婚すれば“解決”できると思いますか?
まれにうまくいく可能性もないとはいえませんが、およそ思惑通りにはいかないでしょう。
A子さんのように彼との関係に不安を抱く女性は、たとえ自身の立ち位置が変わっても不安そのものはなくなりません。
結婚したらしたで、夫となった彼の挙動が見えすぎてしまうあまり、今度は別の不安材料を作りだすであろうことは、想像に難くありません。
「いつも帰りが遅いのは、浮気しているからでは?」
「前みたいにデートしなくなったのは、私に飽きたから?」
晴れて結婚したのに、これでは同じことの繰り返し。彼だって窮屈になってしまいます。
B子さんにしても、物理的な距離を縮めれば解決できることもありますが、おそらく別の問題が生じるのではないかと思います。
彼と毎日会える喜びはあるかもしれませんが、逆に彼のほうはB子さんに対する「時間が取れない申し訳なさ」から解放され、ますます仕事に打ち込み、結果B子さんは「ふたりでいるのに寂しい」状態になってしまうかも。
結婚とは、日常生活をともにすること。デートの回数が増えることでも、彼を独占することでもありません。
ここをはき違えて結婚に臨むと、あなたばかりが恋愛の延長で彼を求め、彼のほうは(結婚したことで)安心しきってますます愛情表現が些末なものになり、ふたりの歯車が狂ってしまいます。
恋人としてお付き合いしている現在生じている問題は、今の関係のうちに打開策を考えましょう。
不安や不満を抱いてしまうのは避けられないこと。「連絡回数を増やす」「デートの時間を作る」「もっと言葉で愛情を示す」などの行動は、気持ちがついていかなければ長くは続きません。
お互いを思いやることのできるいいつき合いができてこそ、結婚してもいい関係が築けるのです。
「結婚すれば解決できる」と思いがちなのは、恋人との関係に限ったことではありません。
次ページでさらに掘り下げてみましょう。