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4資産均等投資より下落率が小さいファンド

政府がデフレからインフレ経済に舵を切っているにもかかわらず、なかなか投資に踏み切れないのは元本が保証されていないからでしょう。あるいは、どのくらい損するか分からないということが大きいと思われます。そんな人に注目して欲しい投資信託が、安定した収益の獲得を目指す愛称「みらいのミノリ」と呼ばれる商品です。

深野 康彦

執筆者:深野 康彦

お金の悩みに答えるマネープランクリニックガイド

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投資慎重派に注目して欲しい

アベノミクスが始まってから約2年が経過しました。2年前の日経平均株価と、足元の同株価を比較すると2倍になっていることがわかりますが、その間数度の急落に見舞われています。それこそ、投資初心者が急落を目の当たりにしてしまうと、投資に二の足を踏んでしまうのではないでしょうか。

「投資は怖い」、あるいは「元本保証が安心だ」と考えてしまうわけです。投資を行うか行わないのかはその人の自由ですが、このまま物価が上昇していくと元本保証の安全性商品だけの運用では資産を目減りさせてしまうことを許容しなければならないのです。

言葉ではさらっと述べてしまいましたが、本音では資産を目減りさせたくないはずです。そんな投資慎重派に注目していただきたい投資信託が、ニッセイアセットマネジメントが運用する「ニッセイ安定収益追求ファンド」、愛称「みらいのミノリ」です。同ファンドは、内外の債券を中心に投資を行い、利息収入等の安定した収益の獲得を目指します。

最大下落率は1%未満に留まっている

適切な表現ではないかもしれませんが、交付目論見書などを読む限りは、一見普通の「バランス型ファンド」に思えてしまいます。しかし、運用が開始(2013年7月16日)されてからの基準価額の最大下落率は-0.95%に留まっているのです。同期間の国内外の株式、債券の4資産均等投資の最大下落率が-5.70%ですから、かなりリスクは抑えられています。   

下落率を抑えるための運用の鍵は、債券と株式・通貨の値動きの違いを活用して、ファンド全体の価格変動を抑える仕組み備えているのです。リスク調整部分は内外の株式、外国債券(為替ヘッジなし)を一部組入れることで、債券価格の変動を株式・通貨の変動により相殺することを目指しているのです。

具体的には、市場環境の変化に応じて、利回り追求部分とリスク調整部分のリスク量が等しくなるように資産配分を調整します。このようなリスク量の調整により、資産間の逆相関を利用した効果を高めつつ、安定した収益の獲得を目指すのです。

資産間の逆相関を測る尺度に「相関係数」があります。相関係数が1つ近いほど各資産は同じような動きをし、-1に近いほど各資産は逆の動きを示します。0に近い場合は各資産の動きは無関係になることを示しています。

過去の相関係数の推移によれば、利回り追求部分「国内債券・外国債券(為替ヘッジあり)」と、リスク調整部分「国内株式・外国株式」の間の各資産は概ね逆相関となっており、価格変動を相殺するためには債券と株式を併せ持つことが有効であると考えられています。同ファンドでは、このような資産間の逆相関の関係を活用して価格変動の抑制を目指しているのです。

学資保険の代わりになる可能性が

価格変動は抑えられていることは分かりましたが、運用成績が気になります。2014年10月末現在の設定来の騰落率は2.4%。リスクを抑えて安定した収益通りの成績と言えるでしょう。投資積極派には物足りないかも知れませんが、投資慎重派にはリスクを抑えてゆっくリズムで資産形成を行っていけそうです。

何より急落に怯えることなく、枕を高くして寝られる投資信託と言えそうです。運用履歴が短いことから判断は時期尚早かもしれませんが、これまでの価格変動からは教育費の準備商品として学資保険の変わりになるポテンシャルを秘めた投資信託のような気がします。

NISAを活用して積立で購入しても良いでしょうし、NISA活用の有無に関わらず投資初心者が預貯金の隣に位置づける投資商品、言い換えれば投資の第1歩を踏み出す商品として注目したい投資信託と言えそうです。今後の価格変動にも注目したいバランス型ファンドです。愛称が実現することにも注目しましょう。

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