美しい床飾り
そろそろお正月の準備にも取り掛かりたいもの。日々の生活の中から日本の伝統行事が失われつつある中、お正月はまだ私たちが大切にしている大きな行事ですね。来る一年が良い年になることを願いつつ、年神様を迎えるために、家を掃除して清め、お正月の設えとして縁起物などを飾ります。そんなお正月を迎えるのにふさわしい美しい和の飾り物に出会いました。プロダクトブランド「Studio GALA(スタジオ ガラ)」とお香を扱う「Juttoku(じゅっとく)」とがコラボレーションした、お正月の『床飾り』です。
あまりにも新鮮で美しい飾り物だったので、プロデュースした「Juttoku(じゅっとく)」の井口舞香さんと、「Studio GALA(スタジオ ガラ)」の小林さんにお話しを伺ってきました。
伝統美を身近に感じる
『床飾り』というのはあまり聞きなれない言葉ですが、床の間を季節や行事に合わせて花や掛物などで飾ることを指します。しかし、最近は床の間だけでなく和室のない家も多く、日々の生活に追われて季節や行事を楽しむ気持ちも余裕も減っているように感じます。「Juttoku(じゅっとく)」と、「Studio GALA(スタジオ ガラ)」は、日本のよき風習を日々の生活の中に残したいと願いこの床飾りを作ったそうです。
「日本の伝統美を身近に感じられように、日本の伝統技術や素材を生かした飾りを作っています」と「Studio GALA」の小林良一さん。武具や茶道具になどにも使われる組紐、ご進物やお祝い袋などにも使われる、和紙をこより状にして糊で固めた水引、そして日本の誇る手漉き和紙などです。こうして伝統技術を支えることで、すばらしい技術を絶やすことなく次の世代に受け継がれることを願っているとか。
『床飾り』には、お祝いにふさわしい鯛、海老など、昔ながらのおめでたい図案を使いながら、現代的な住宅にも合うようにアレンジしているそう。使っている色は、飛鳥時代から神事やお祝いに使われる色の組み合わせだそうですが、カラフルで軽やか。北欧モダンやナチュラルなインテリアにもぴったりです。
香りも記憶する
こちらの『床飾り』の特徴は香りと一緒に楽しめること。さまざまな行事も香りとともに記憶するのもいいですね。お正月には、松を基調として、白檀、丁子といった昔から日本でよく使われていた香を中心にオリジナルで香りを調合し、香袋としてセットしています。香袋は木のフレームの裏に掛ける仕組み。「Juttoku(じゅっとく)」の井口舞香さんは、以前、IT産業にお勤めで、慌ただしい毎日で辛かったときに、お香の癒し効果を実感したそう。この香袋を隠した、床飾りのある部屋は奥ゆかしい松の香りが漂い、すがすがしい香りに気持ちもあらたまるはずです。
手軽に楽しむ
さらに、この床飾りの良いところは、桐のフレームにセットされていること。手をかけて飾るのは億劫に感じることもありますが、長方形のフレームがあることで、絵のように手軽に飾ることができます。床の間はなくても、玄関先やリビングの棚を床の間に見立てて、壁に掛けたり、置いて飾ってみてはいかがでしょうか。【取材協力】
『Juttoku.(じゅっとく)』
『Studio GALA(スタジオガラ)』