広さは十分、日常使いは十二分
そして、何より、このサイズがいい。日本のセダンといえばこのサイズ、という感覚をベンツに教えてもらうのは、なんとなく居心地悪いけれども、最新のメタボなクルマたちに食傷気味の筆者にとっては、清々しい小ささ。なんせ、今やアクセラのセダンでも、この190Eよりでかい!サイズ的にこれで十分であることは、乗り込んでみれば分かる。室内は身長170cm若干メタボな筆者でも十分な広さ。左右が近いが、それだって肘が当たって邪魔というような近さじゃない。後席も十分。
心地よく前輪を動かす大きなハンドル、少し頼りない機械フィールのシフトレバー、ジュワッとした踏み心地のアクセルペダル、などなど、すべてに懐かしく思いながら動かしてみれば、やはりその乗り心地の良さと、機械的な動きの正確さ、そして十二分な街中動力性能に、驚かされた。
今でも十分、現役。使えるクルマである。決して速くはない。今となっては遅い部類だ。けれども、日常使いには十二分。このあたり、街中モビリティのヒントは過去にあるかも知れないと思った。