メルセデス・ベンツ/メルセデス・ベンツの車種情報・試乗レポート

40年前の“パゴダ”で宮崎への旅(中編)

69年式M・ベンツSLで行くグランドツーリング。2日目はクルマや高速道路について考えつつ、琵琶湖から偶然の邂逅が待っていた福岡まで走ります。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

現代のクルマたちが失ったモノ


午前3時。琵琶湖ホテルを出発。まずは西川がドライブを担当する。名神高速で一路、西を目指した。京都素通りは何となくもったいないし、大阪素通りも空腹の虫が泣き叫ぶけれど、道はあっけないほど空いていて、すいすい通過。クルマの方はといえば、昨日の異音騒ぎもどこへやら。速度を少し落とし気味にしたのが良かったのか、全体の乗り味の印象もいっそう良くなってきた。なんか、クルマがこなれてきて、当たりが柔らかくなったような感じ。こちらの身体も慣れてきたからだろう。絶妙な一体感で走っていく。

M・ベンツSL
ショルダーラインが低いのでこのように肘をかけることができる
山陽道に入る頃には、空も白みはじめてきた。窓を全開にして、肘をドアにかける。少し出たまんまのガラスが、ちょうど上腕にぴったりフィットするから思いのほか楽だ。昔のオープンカーは、これができた。ショルダーラインが低かったからだ。正しい運転方法とは言えないし、高速道路だからなおさらダメかも知れないけれど、 クルマにすっかり身を任せて走った方が一体感があって気分がいい。なにより、心が疲れない。ずっと80キロをキープして走っても、まったく退屈しない。意外だったのが、窓を全開にしても風がそれほどむやみに進入してこないこと。だから、高速でも窓全開で走ることができるのだった。

安全で便利で快適になった現代のクルマたちが失ったモノも実は多かったんだなあ、とつくづく思う。

M・ベンツSL
午前6時、吉備SA

笹岡ラーメン
吉備SA
笹岡ラーメン(上)と吉備SAにある昭和レトロな自販機ブース
午前6時。はやくも「そろそろ腹、減ったよねえ」な感じである。吉備SAに立ち寄った。で、もちろんボクは笹岡ラーメン。他に岡山ラーメンや津山ラーメンがあったけど、朝飯代わりということで、鶏だしというあっさり語感につい惹かれ……。味は、まあ、フツウだったな。

こういうところで情報を知って、そのまま次のインターで降りて食べにいく、なんてのもアリかもね。そういう急な計画変更もドライブの醍醐味だと思う。ここで、川上さんにドライブをバトンタッチ。

ガーミン製PND
ガーミン製PND(パーソナル ナビゲーション デバイス)

もちろん、パゴダにはナビなんて付いてません。で、活躍したのが携帯ナビのガーミン。これ、思いのほか優れモノで、特にボクは海外での散策だとか、日本語でナビして欲しいときに使うのだけど、日本でもクラシックカーには最適かも。目的地検索など、機能的には最小限で、使い勝手がいい。

ガーミン製PND
オプションで海外地図も用意される
なかでも今回、重宝したのがドライブデータ。平均車速や最高速度、走行距離、実動時間、休憩時間などが一覧で見れるから、ドライブ途中の退屈凌ぎにも使える。もちろん、ナビゲーターが見て数字を読み上げて楽しむわけだけど。

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