盆栽/盆栽の作り方

お手製の松盆栽でお正月飾りを作ろう

盆栽といえばやはり「松」。そして松を飾りたいベストシーズンは「お正月」。今回は、黒松を主役にしたモダンな盆栽づくりを通して、この季節にやっておきたい松の葉の整理方法をご紹介します。樹齢も長く生命力が強いので、繁栄の象徴として古くから御神木としても各地で祀られてきた木でもあります。 今回は、特に樹勢が強い黒松でお部屋やベランダの邪気を払ってくれるような盆栽を作りましょう!

山田 香織

執筆者:山田 香織

盆栽ガイド

お正月の盆栽づくり

黒松

黒松、ヤブコウジ、斑入りセキショウの苗

今回は、黒松、ヤブコウジ(赤い実がついているもの)、斑入りセキショウの3種類を、彩花流の寄せ植えスタイルで写真下の丸鉢に植え付けます。彩花流の盆栽は、私共盆栽清香園がご提案する、木々と草花を寄せ植えにして仕立てる流儀の盆栽です。鉢はオリジナルのゴールドの釉薬の鉢です。


 


 

松のお手入れ

枝先の葉の様子

12月の枝先の葉の様子

お正月前のこの時期にやっておきたい松のお手入れとして、古い葉を減らす作業があります。松の葉の寿命は約2年と、落葉樹よりも長いのですが、役目を終えた葉は茶色くなり自然と落ちていきます。茶色になって落ちる前、緑色の内でも葉が混み合ってくるので、前の年の緑色の葉を減らしてすっきりさせます。写真では枝先に葉が密集して、今年の葉と去年の葉が同居しています。


 
2年分の葉

今年の葉と去年の葉の同居

もう少しわかりやすいところでご説明すると、この枝先では、先端の斜め上方向に伸びている勢いのある葉が今年の葉です。その下の茶色い枝から直接生えている葉が去年の葉です。この去年の葉を減らして(=葉すかしをして)、来年の春以降の日照と風通しを確保しておきます。

 

ハカマを残して切る

去年の葉はハカマを残して元から切る

左の葉のように、剪定バサミで去年の葉を付け根(ハカマと呼びます)を5ミリ程度残して切ってすっきりさせます。

 
今年の葉を残す

今年の葉を中心に残す

外側に開いている去年の葉を元から切って、すっきりさせましょう。右の写真は葉すかしをしてすっきりさせた枝先です。

 

小枝の密集を減らす

枝先の小枝(芽)の密集を減らす

さらに、枝先に小枝(芽)が集中しやすいのが松の特徴です。他の小枝(芽)よりも明らかに小さなものは本来自然淘汰されるべきものですので、盆栽では人為的に見つけて、剪定しましょう。右の写真のように、周辺の小枝(芽)よりも小さなものは元から切ります。このようにして、春以降枝が密集しないように、芽数を減らす作業をします。この作業は庭木の松も同じです。年末に植木屋さんが入ったお宅の松もぜひ観察してみましょう。


 
三又枝のアップ

三又枝のアップ。枝が十字に交わる

続いて、写真のように枝の分岐が十字になっているところは忌み枝です。忌み枝は残しておくと樹形を乱す枝なので、枝が若いうちに切ります。この場所の忌み枝は「三又枝(みつまたえだ)」といい、幹から両側に2本枝がでており、三方向に分岐しているのでこの名前があります。放っておくと十字の部分がコブのように太ってくるので、2本ある脇枝のうち一本を切ります。今回は弱い左側の枝を切ります。




 
針金成形

枝に針金成形をして抑揚を入れる

三又枝の弱い枝を切ったところですが、右側の枝が長く間伸びしていますので写真のようにアルミニウムの
針金を巻いて、枝に抑揚を入れました。








 

植込み

根留め

鉢には必ず根留めを用意しましょう

植え込む丸鉢に網と根留めの針金を設置し用意します。


 
植込み

冬前の植込みの場合は根はなるべく残す

植え込む黒松、ヤブコウジ、斑入りセキショウの根も写真のようにほぐして切っておきます。







 
極小粒の赤玉土

極小粒の赤玉土で植えつけます

根と根の間にしっかり土を入れ、根留めの針金をして主木の根を固定しましょう。


 
苔はり

水をやってから苔はり

たっぷり水をやり、苔をはります。化粧砂で景色をつくる場合には、写真のように苔をはらずに空けておきます。


 
松の盆栽

お正月を飾る松とヤブコウジの盆栽

化粧砂も入って、迎春の坪庭ができました。水引や金銀の松ぼっくりなどと飾って、新年を愛でる盆栽を楽しめます!

 

お正月飾り

お正月飾りの設え


 

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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