ベテランを呼び戻したアギーレの意図
世代交代か、それとも結果か。ベテラン招集の是非を考える。
その一方で、アギーレ監督の選考に対する拒否反応もくすぶる。彼らベテランの実力に疑いの余地はないが、4年後のロシアW杯へ向けて世代交代を進めていくべきとの視点である。
遠藤と今野が所属するガンバ大阪は、ナビスコカップで7年ぶりの優勝を飾り、天皇杯でも決勝進出を果たした。J1リーグでも首位の浦和レッズに、勝点2差と肉薄している。国内3大タイトルを独占するかもしれないチームで、彼らは強烈な存在感を放っている。
移籍1年目のフランクフルトでプレーする長谷部も、ここまで消化したリーグ戦全試合に先発している。プレータイムはチームで2番目の多さだ。豊富な運動量とリーダーシップはフランクフルトに欠かせず、キャリアの円熟期を迎えていると言っていい。
アギーレ監督が彼らを呼び寄せた背景には、所属クラブでの好調さに加え、来年1月にアジアカップが開催されるからだろう。
アジアカップで優勝したチームは、2017年のコンフェデレーションズカップに出場する権利を得る。翌年のW杯を開催するロシアがホスト国を務め、プレW杯の意味合いを持つ大会は、世界の強豪国と対戦できる貴重な舞台だ。
過去にはフランス、ブラジル、イタリアなどと激突し、チームの現在地をはかる機会となった。4年前の2011年大会に続いてアジアの覇権をつかむために、アギーレ監督は経験者の力を必要としたのである。
>>では、ライバル国におけるベテラン招集の状況とは