日本各地に、地元の麩が100種類以上
車麩を割った商品。本来は丸い車輪形。層になっていて噛み応えもあり、揚げるとお肉のような食感があります。
麩には、地方色の強いもの、またもちもちとした生麩や、焼き麩、揚げ麩など作り方の違いから多くの種類があり、少なくとも100種類位以上はあるそうです(『日本農業新聞(2014.11.22)』)。
生麩にも、粟やヨモギをいれたもの、紅葉や梅の形や色づけしたものなどがあります。焼き麩には、山形県の「庄内麩」や、仙台の揚げ麩、石川県や新潟県の「車麩」、京都府や石川県の色取りのよい飾り麩もよく見かけられます。
他にも、角麩、安平麩など形状も様々で、また料理以外にも餡を包んだ麩まんじゅう、麩かりんとうなどのお菓子など、幅広く親しまれています。
手間のかかる麩は、貴重品でもあった
パンの代用に麩でプディングをつくってみても。意外な組み合わせも楽しい。
江戸時代の文献には、男性が脚で踏んだりしてつくられ麩師という職業もあったとか。当時から生麩は貴重品とされていました。明治時代に焼き麩が庶民にも普及してから、主流になったとか。
ガイドも何度か生麩を作ったことがありますが、何度も水洗いし、できあがる量は使う小麦粉の半分程度。もちもちプルンとしておいしいものですが、自分で作ってみると手間も時間もかかり力も必要で、生麩の価格が高いのも納得できました。
私は、野菜の煮物などに具が寂しい時に、麩を入れたりもしますが、ハンバーグのお肉の量を控えめに麩を砕いて使ったり、パンプディングをつくる時にパンの代用、車麩を揚げてシナモンシュガーをかけておやつにしたりもします。
全国製麩工業会や話題の麩のサイトなど、いろいろなメディアで、麩の活用レシピが紹介されていますので、参考にしてぜひ楽しんでみてください。
参考/
- 全国製麩工業会
- 健康食品の安全性・有効性情報
- コラーゲンの安全性と機能性(国立健康・栄養研究所)
- 『日本農業新聞』(2014.11.22)
- 『本朝食鑑1』平凡社
- 『江戸時代食生活事典』雄山閣