厳選された素材と、匠の技が織りなす空間
――玄関から室内に招かれると、まるでホテルのラウンジのようなリビングが! ゴージャスというよりは控えめな演出のインテリアなのに、何とも言えない華やぎと格の高さを感じます。加藤:ここは、橋本氏のこだわりや、日本有数の職人・デザイナーの技が詰まった空間です。「美は細部に宿る」の言葉どおり、プロの美意識が隅々まで通っています。
漆喰、土壁、無垢の床材… 厳選された自然素材と匠の技を味わう贅沢な空間
忠保:天井と奥の壁の、間接照明を施している部位には、金沢産の金箔を一枚一枚手で箔押ししています。金箔部分に直接照明を当てると、光り過ぎて品を失ってしまうので、あえて間接照明のみで表情を出しているんです。
――何の素材か気になっていましたが、金箔だったんですね。侘び寂びと華やかさが絶妙にミックスしています。
忠保:苦心したのは、間接照明の光がきれいに広がるように、現場で試行錯誤を重ねた点でしょうか。この部分には、インテリアデザイナーや照明デザイナーの技術と経験が存分に発揮されているんですよ。
加藤:土壁の左官仕事も、ぜひご覧いただきたい見どころのひとつです。土は、淡路島産のものを選びました。さざ波のように見える紋様は“風”をイメージしたものです。
忠保:玄関とリビングを仕切る組子障子、こちらは橋本氏のデザインによるものです。組子とは、釘などの金具を使わずに細くひき割られた木を組んで模様をつくる日本の伝統的な木工技術です。今ではなかなか見られなくなりました。
ソファやクッションなどのインテリアも、空間に絶妙に馴染むものをセレクト
技術の粋を凝らした作品と、共に暮らす日常という贅沢さ
――厳選された素材と匠の技が織りなす、本当に贅沢な空間なのですね。この場に足を踏み入れたときに感じた、華やかさと格式の高さの理由がわかった気がします。
1階平面図
――ダイニングキッチンも、木質感が豊かで落ち着いた雰囲気ですね。間接照明や障子越しの光が、空間をやさしく包み込むような感じです。ゆったりと食事を楽しみたくなりますね。
忠保:アイランドキッチンの収納ですが、ダイニング側から見える部分は桐でできています。桐箪笥と同じようなつくりですね。背の高い収納部分は、銀箔の箔押しです。冷蔵庫はこの内部に収納し、普段は見えないようにしました。
加藤:ダイニングテーブル上の照明は、オリジナルのデザインです。極力、存在感を消して空間の邪魔にならないようにしています。
――さまざまなアイデアが形になっていて、とても面白いですね! これから家を建てる人にとっては、空間づくりのヒントがいっぱいで、見ているだけでワクワクするのではないでしょうか。
栓の無垢板のテーブルに、カッシーナの椅子を合わせて
開放的な空間をつくる、最新のテクノロジー>>
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