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原油価格暴落!暴落中の石油株は買い?

ドル高、シェールガス、中国経済減速などの要因により、原油価格が暴落しています。これにあわせて石油株の株価も低迷しています。この傾向はまだ続くと思いますが、今後、投資チャンスにつながるかもしれません。

戸松 信博

執筆者:戸松 信博

外国株・中国株ガイド

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原油価格暴落!暴落中の石油株は買い!?

年初来安値の続く原油価格(WTI、日足、2014年初来)

年初来安値の続く原油価格(WTI、日足、2014年初来)

原油価格が暴落しています。今年6月20日に一時107.73ドルをつけたWTI原油価格は11月13日には一時74.04ドルまで下落しています。この背景には為替は115円を突破!円安&株高は続くのか!?でも解説しましたが、ドル高があります。

米国は量的金融緩和を終了し、2015年半ばには利上げが見込まれています。金利上昇からドルに資金が集まり、力強いドル高傾向が続いています。資源はドルで取引されるため、ドルの価値が上がれば相対的に資源価格は下落します。したがって、原油以外にも、金や農作物など、多くの商品が下落傾向にあります。

これに加え、原油については米国のシェールガス開発ブームの影響があります。シェールガスの採掘が可能になったことにより、米国は原油の輸入量を減らし、もともとの原油への需要減につながっています。

そこで、サウジアラビアはシェア維持のため、米国向け12月積み原油の値下げに踏み切ったのです。一般に米国のシェールガス開発ブームが続くには80ドル以上の原油価格が必要と言われてきましたが、既にその水準を割り込み出しています。現に複数の米国シェールガス・オイルの開発大手が2015年の設備投資額縮小を発表しました。今の価格水準では大幅なキャッシュフローが生まれないので、開発に回す資金が不足するからです。サウジアラビアや産油国には原油価格をある程度に抑え、シェールガス開発ブームを抑制する狙いもあるものと考えられます。

その他、中国経済のスローダウンや電気自動車などの次世代自動車の普及といった問題もあります。そして、実際のところ、国際エネルギー機関(IEA)は2014年の石油需要の成長見通しを、この5年で最も低い水準に引き下げています。

ちなみに米国の主要株価指数であるS&P500指数において、エネルギー業種は最大構成の一つであり(エクソンモービル(XOM)など)、最近の原油価格下落はこれら企業にとっての懸念材料となっており、株価も軟調に推移しています。日本で言えば国際石油開発帝石(1605)、日本海洋掘削(1606)、石油資源開発(1662)、JXホールディングス(5020)、三井海洋開発(6269)などの原油、ガス開発に関係する企業の株価は、日本株がこれだけ活況な中で低迷しています。

原油価格下落はまだ続く可能性、しかし、更に下落すれば投資チャンスも

暴落中の石油株には、近く買いチャンスが来るかもしれない・・・

暴落中の石油株には、近く買いチャンスが来るかもしれない・・・

ドル高、中国経済のスローダウン継続、次世代自動車の普及と言った原油安につながる要因は今後も続きそうですので、原油価格は当面軟調に推移しそうです。しかし、長期的に考えれば、今後、投資チャンスが出てくるとも考えられます。

ます、商品相場では、供給減(もしくは需要増) --> 価格上昇 --> 開発ブーム --> 供給過剰 --> 価格下落 --> 開発縮小 --> 供給減 --> 価格上昇、というサイクルが延々と繰り返されて行きます。

今回のケースでは、価格下落が続いており、開発縮小が出てくるようになったところですから、まだ下落トレンドは終わらないと思います。しかし、開発縮小段階に入ったことで、2015年後半あたりからまた新たな上昇サイクルに入る可能性もあると思います。そうなれば優良な石油株に対する投資は、これからの1年以内が安値を仕込むタイミングになりえると思います。

また、より長期的な展望では米国の政治材料があります。2014年11月4日に行われた米国の中間選挙では、オバマ大統領の属する民主党が大敗しました。これによって共和党が議会で力を強め、より大企業寄り、特に石油業界にプラスとなるような規制緩和が進むのではないかとの見方が出てきています。2016年の大統領選挙でも共和党が勝利すれば、よりその見方が強まると思います。

【関連記事をチェック】
原油先物価格、WTIとは?(2016年最新版)

参考:日本株通信

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